20代正社員のAI相談実態:悩みの相談先としての活用
株式会社ジェイックが2025年10月に実施した「AI相談」に関する調査結果が発表され、20代の正社員が抱える悩みの相談先としてAIがどのように活用されているのかが浮き彫りになりました。今回の調査には173名の正社員が参加し、その結果を分析しました。
AIへの相談を行う割合
調査の中で、回答者の約3割が「仕事やプライベートの悩みをAI(ChatGPTなど)に相談している」と回答。その詳細は以下の通りです。
- - 「よく相談している」:14.5%
- - 「たまに相談している」:17.9%
- - 「相談したことはないが、今後してみたい」:32.9%
- - 「相談したことはないし、今後もするつもりはない」:34.7%
このデータから、AIに悩みを相談しているというアクティブな層と、今後の利用を考えている潜在的な層を合わせると、実に6割以上がAIでの相談を検討していることが分かります。
AIに相談した内容
AIを相談相手にする理由として、特に多かったのが「業務の進め方やアイデア出し」で、71.4%がこのカテゴリに該当。また、
- - 人に言うほどでもない些細な愚痴や不満:39.3%
- - 現在のキャリアプランや将来への不安:32.1%
- - 上司や同僚との人間関係、健康や美容:28.6%
- - お金や資産形成:21.4%
など、多岐にわたる悩みが挙げられました。
これに加え、「わからない言葉や業界知識の確認」や「メール文や報告書の作成」など、具体的な業務支援としてAIが活用されていることも確認されています。
AIに相談する理由と抵抗感
AIを相談相手として選ぶ理由は、主に便利さや心理的ハードルの低さが挙げられます。「相手に気を遣わなくていい」と「いつでも返事がもらえる」が57.1%で、続けて「自分の思考を整理できる」が53.6%という結果となりました。
特に、気を使わずに済むという点は、相談の際に情報提供の自由度を確保する要因となりえます。
一方で、「悩みを言語化して入力するのが面倒」との声も多く、抵抗感を伴うユーザーが多いことがわかりました。これを受けて、AIの有用性を感じながらも、利用し切れていない現状があるようです。
AI相談のメリットと人間相談の重要性
調査の中で参加者の91.1%が「人間に相談するメリットはある」と考えており、AIを代替えと捉えず、あくまで相談先の一つとして位置づけています。これには、感情の理解や、経験に基づいた具体的なアドバイスなど、「人間ならでは」のメリットが大きな要因として働いているようです。
「AIにはない心の寄り添い」や、「経験に基づく具体的な例」により、人間同士ならではの支援が大切だという認識が強まりました。
結論:AIと人間の相談を使い分ける時代
この調査結果から見るに、20代正社員はますますAIを活用した相談に興味を持っているものの、同時に人間にしかできない温かみや経験に基づくアドバイスの重要さも認識しています。
特に若手社員は「相談をして良いのか」といった心理的な負担を感じやすく、これを軽減するために上司が積極的に声をかけることが求められています。AIと人間の相談を上手に使い分けることで、より豊かな成長が促進されるでしょう。
会社概要
株式会社ジェイックは東京都千代田区に本社を置き、教育研修サービスや採用支援サービスを展開しています。デール・カーネギー・トレーニングを含む多彩な研修を用意しており、企業の育成ニーズに応じた支援を行っています。