新たな宇宙時代に向けた戦略的提携
2023年、株式会社スペースデータはフランスのLook Up Space社と戦略的な提携を結び、宇宙状況把握(SSA)及び宇宙交通管理(STM)に関するデータプラットフォームの構築を進めることを発表しました。この提携により、両社は日本国内における宇宙の安全な利用と持続可能な開発を支援するための取り組みを強化します。
宇宙状況把握の重要性
近年、宇宙空間での人工衛星の数は急速に増大しており、10年前の2,000基未満から現在では13,000基以上に達しています。2030年には40,000基を超えるとの予測もあり、この急増に伴い、宇宙状況把握(SSA)の必要性が急速に高まっています。SSAでは、地球の周回軌道上に存在する人工衛星やスペースデブリの位置や動きを正確に把握し、衝突リスクを監視することが求められます。
しかし、現在、この分野で得られる情報の提供主体は限られており、多くの国にとって自国の宇宙監視能力の強化が安全保障上の大きな課題となっています。日本政府も航空自衛隊の宇宙作戦部隊の強化に取り組むなど、宇宙領域をいかに安全に利用していくかを真剣に考え始めています。
事業提携の詳細
この提携では、以下の3つの目標を設定しています。
1. 高度なSSAおよびSTMデータとサービスの提供を通じて、宇宙の持続的利用をサポートすること。
2. 日本における高性能なSSA/STMデータ処理プラットフォームの開発。
3. 日仏間の宇宙分野における商業的協力を強化すること。
Look Up Space社の役割
Look Up Space社は、独自に開発した地上レーダー「SORASYS」を基に、低軌道での小型物体の運行を追跡するデータ提供を行います。また、リアルタイムでのデータ融合を通じたリスク評価も手がけます。さらに、宇宙環境や軌道分析に必要な技術的知見を日本側に提供し、SSAシステムの設計と運用に際してサポートを行います。
スペースデータの貢献
一方で、スペースデータは、自社の統合技術基盤「PROVIDENCE」を用いて、日本向けの国産SSA/STMデータ処理プラットフォームの開発を推進します。このプラットフォームは、プラネタリースケールのデジタルツイン技術を駆使し、宇宙からのデータをもとにしっかりとした分析を行うことを可能にします。
今後の展望
この提携により、宇宙における衝突リスクや新たな安全保障上の脅威に対処するための基盤が確立されることが期待されています。スペースデータは、この取り組みを通じて、国民の安全と社会基盤の強化に貢献することを目指しています。宇宙の利用拡大と持続可能な発展を支えるためには、国際的な連携が不可欠です。今後も日本とフランスの協力を強化し、宇宙技術の進化を続けていくことで、「安全で持続可能な宇宙社会」の実現に向けて尽力していくことでしょう。
企業情報
Look Up Space社は、フランスの宇宙状況把握を手掛けるスタートアップで、2022年に元フランス宇宙コマンド指揮官であるMichel Friedling氏によって設立されました。
スペースデータは、宇宙とデジタル技術の融合を通じて新たな社会基盤を作るための企業であり、特にデジタルツイン技術を活かして多様な社会課題に挑んでいます。