フェアトレード・ジャパン、新体制を迎える
2025年7月1日付で、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは新たなリーダーシップを体制に迎え入れます。この新体制の下で、元日本貿易振興機構(JETRO)理事長の佐々木伸彦氏が会長に就任しました。新しい共同代表理事として樽本哲氏、前田京子氏の両名も加わります。
これまで30年以上にわたって組織を支えてきた堀木一男氏は理事長の役職を退任し、名誉顧問として新たな見守り役となる一方、前田氏と樽本氏はこれからのフェアトレード・ジャパンの活動を推進する重要な役割を担います。
課題の多い国際貿易の中で
佐々木会長は、日本の通商政策や国際貿易の現場で培った豊富な経験を活かし、フェアトレード・ジャパンが目指す「公正な貿易の実現」を推進する意向を示しています。彼はまた、これまでの経験を踏まえた新しい理事体制の多面的なリーダーシップに期待を寄せています。
佐々木会長は、自身のコメントにて、「世の中に良いことを根付かせるためには、人の善意、規則による強制、経済的インセンティブの3つの方法がある」と強調し、フェアトレード・ジャパンの取組が「多くの人の知恵と実行力によって形成された貴重な例である」と述べました。この言葉には、貧困の撲滅や持続可能な生活を実現するための決意が込められています。
理事長退任についての想い
堀木一男氏も、30年の歴史を持つ団体が新体制に移行することの意義について語っており、設立当初の資料や人々の情熱がどれほど価値あるものだったかを振り返っています。彼は、日本も成熟したフェアトレード社会になることを願っており、そのための新しい取り組みを期待しています。
新たなリーダーシップを担うメンバー
共同代表理事として加わる前田京子氏は、自身の職務を通じてサステナビリティとダイバーシティの推進に力を入れてきました。彼女は「誰もが尊重され、自分らしく働ける社会」を実現することを目指しており、フェアトレードがその基盤を築くと確信しています。前田氏は、持続可能な社会の実現に向け、課題について真摯に向き合う意志を見せています。
一方で樽本哲氏は、弁護士としてのキャリアを活かして、多くの企業が社会的責任を果たせるような変革を促す意向を示しています。彼もまた、フェアトレード・ジャパンが持つ「生産者の自立を目指す」という使命の重要性を強調しています。
フェアトレードの意義
ここで改めて「フェアトレード」とは何か振り返りましょう。公平で公正な貿易を目指すこの活動は、しばしば小規模生産者の権利が侵害される現実を受け止めて、彼らの持続可能な生活を支援する仕組みを提供します。この活動は、近年の国際的な潮流とも合致しており、SDGsの達成にもつながるとして注目されています。
組織の未来へ向けて
新たにリーダーシップを担った佐々木会長、前田共同代表理事、樽本共同代表理事の三者が、これからフェアトレード・ジャパンの新たな未来を切り開くことへの期待が高まる中、私たちもその変革の流れを共に支えていければと思います。今後の取り組みに注目が集まる中、国際社会における貿易の公正さを求める声がますます強まっています。その結果、私たちの身近な消費行動にも変化が訪れることを期待したいものです。