認知症の理解を深めるVR体験:ライフネット生命の勉強会レポート
最近、ライフネット生命保険が主催した勉強会で、参加者が認知症を疑似体験するVRセッションが行われました。このプログラムは、認知症を持つ人々が日常的に直面している課題や不安を理解することを目的としています。
VR体験の概要
この勉強会では、参加者はVR機器を装着し、アルツハイマー型およびレビー小体型認知症の症状を模擬する体験に挑戦しました。初めてVRを体験する参加者もおり、機器の装着を通じて緊張した雰囲気が漂いましたが、いざ体験が始まると、状況は一変しました。
アルツハイマー型認知症のVR体験
最初の体験は、アルツハイマー型認知症の症状を再現するもので、目の前に広がるのは車が行き交う大通りでした。参加者たちは高所から地面を見下ろすように感じ、恐怖に思うあまり身体を固めました。その時、傍にいる他の人から「大丈夫ですよ」と声をかけられるものの、その実感が伴わず、困惑の表情を隠せません。実際に体験した社員からは、「体が固まるほどの恐怖と混乱を感じた」との感想が寄せられました。
この体験では、視空間失認という症状が強調されており、本来は何でもない段差や空間を把握する能力の低下が体感できました。こうした状況に対する周囲の理解不足が、認知症の当事者にとってどれほど過酷な体験であるかを、参加者は改めて実感したのです。
レビー小体型認知症の体験
続いて行われた体験は、レビー小体型認知症の症状を模しており、幻視の状況が再現されました。参加者は友人の家を訪れるというシーンから始まり、目の前に現れるのは、帽子がかぶられた女性だったり、部屋の隅の男の人が見えると錯覚したりと、現実と虚構が混じり合う体験でした。参加者はこの状況に戸惑い「これは本物なのか?」と自問自答しながらも、映像を前に見守っていました。
このVR体験コンテンツは、レビー小体型認知症の当事者である樋口直美さんが監修し、幻視が必ずしも恐怖の対象であるわけではなく、可愛いものやユーモラスなものも存在することを伝えています。このように、当事者の視点を理解することが、周囲の人間にとっても大切であるというメッセージを強く受け取ることができました。
イベントの意義
今回の勉強会は、認知症に対する理解を深めるための一助となりました。参加者は体験を通じて、認知症の症状に対する周囲の反応や理解がいかに重要であるかを体感しました。多様な症状がある認知症においては、ひとりひとりが個別の状況を理解し、共感することが求められます。この体験会を通して、参加者は「どうしました?」と声をかけながら、理解を深めることの重要性を再認識したのです。
「認知症に対する固定観念から解放され、個々の当事者が抱える状況を理解することが重要」と強調されるこの勉強会は、今後も継続される予定です。ライフネット生命は、社会における認知症への理解促進に貢献する取り組みを今後も推進していくことでしょう。
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