バルカン室内管弦楽団と被爆ピアノの競演!
戦後80年を迎えた現在、国際社会では過去の歴史を振り返り、未来への希望を模索する動きが強まっています。その中で、音楽が持つ力は計り知れません。バルカン室内管弦楽団が、広島で被爆した「宇品ピアノ」と共に奏でる一夜限りの特別コンサートが、2025年5月に開催されます。
音楽でつながる民族の架け橋
バルカン半島は歴史的に複雑な背景を持っています。特に、ユーゴスラビアの解体後に起こった民族間の紛争は多くの悲劇を生み出し、異文化の交流を阻害してきました。しかし、コソボフィルハーモニーの首席指揮者である栁澤寿男氏は、この複雑な状況に挑むため、バルカン室内管弦楽団を設立しました。彼の音楽への情熱は、民族間の対立を乗り越えた共栄を目指す活動に繋がっています。
2009年には、コソボのミトロビッツアで「奇跡のコンサート」と称された公演が成功し、その後もニューヨークの国連総会でも演奏する機会を得ました。音楽の力で人々がつながり、平和のメッセージを福音する姿勢が評価されています。今回の日本開催は、彼にとって記念すべき第10回目の公演となり、期待が高まります。
特別な楽器で演奏される名曲
この公演では、被爆ピアノ「宇品ピアノ」が特別に使用されます。宇品ピアノは、広島の爆心地から約3キロの場所で被爆し、その後も音楽の道を歩んできた奇跡の楽器です。その音は、過去の痛みを乗り越え、未来へと希望を繋いでいきます。また、ピアニストの吉村美華子さんは、「この楽器には多くの物語が詰まっている」と語ります。
5月15日は、平和の象徴として被爆ピアノと共演する演奏では、僅か4曲が演奏される予定で、特に力の込もったメッセージが込められています。また、この日のタイトルにある戦後80年の平和祈念対談は、ピースメッセンジャーの小澤幹雄氏を迎え、戦争の記憶を共有する重要な機会ともなるでしょう。
若い世代にも触れやすい内容
今回の公演では、全指定席が設定されていますが、何と高校生以下は1000円、U-24も1000円という特別料金で楽しむことができます。音楽を通じて多くの若者に平和のメッセージが届くことを願った設定です。
終結のない演奏
5月16日には、神奈川・鎌倉芸術館での公演も控えています。この公演では、特別対談が企画され、笑いと健康をテーマに立川志の輔氏と藤井隆太氏が共演します。音楽が生み出す新たな絆を、笑いを交えながら築く試みが楽しみです。
2025年5月21日には、目黒パーシモンホールにてプロアマの競演による特別演奏会が行われ、特に注目されるのはR.シュトラウスのアルプス交響曲です。この壮大な作品で、春の訪れを告げる風景を描写し、多くの聴衆が感動することでしょう。
バルカン室内管弦楽団の音楽は、ただの聴覚的体験でなく、平和の象徴です。一言で表すなら「音楽は命を救う」。その強いメッセージを、生で感じるチャンスをお見逃しなく。コンサートへの詳細やチケット情報は公式HPでご確認ください。