タリン・ブラックナイト映画祭でのワールドプレミア
三河映画『Ben-Joe』が、エストニアのタリンで開催されるタリン・ブラックナイト映画祭にて、ワールドプレミア上映を果たすことが決定しました。これは、映画業界における大きなイベントの一つであり、世界各国から注目を集める作品が集まる場所です。特に、社会問題をテーマにした作品が評価されやすいため、本作も高い期待を寄せられています。
物語の概要
本作品は、大学生の早紀が主人公。彼女は外見上は何の問題もない生活を送っていますが、その内面には孤独が渦巻いています。ある日、キャンパスで彼女は玲奈という女性に出会い、彼女に強く惹かれていくこととなります。玲奈のように美しくなりたい、愛されたいと願う早紀ですが、次第にその思いが悪化し、彼女自身の心や体に深刻な影響を及ぼしてしまいます。
早紀は、ストレスを抱えながら食べ吐くことを繰り返し、摂食障害に陥ります。治療のため、山奥の施設に入所することになりますが、そこで待ち受ける出来事は彼女にとって想像を超える試練となります。この作品は、特に若者の心の問題に対してリアルな視点で描かれるため、多くの人に共感を呼ぶことでしょう。
監督の思い
本作を手掛けた岩松あきら監督は、元学校教師という経歴を持ち、教え子との再会をきっかけに制作を決意しました。彼女から語られた摂食障害の実体験を基に、日本の若者が抱える現実を映像として表現したいという強い思いがありました。前作『幸福な結末』ではファンタジーを通して「家族」を描いた岩松監督ですが、本作では実話からアプローチし、よりリアルな視点で家族や社会の問題に迫ります。
撮影の背景
撮影地は愛知県内で、設楽町、豊田市、岡崎市、刈谷市、名古屋市など、多様なロケーションで行われました。また、スタッフも愛知県内在住者が大半で、約一年をかけて全て手弁当で製作されたことは、制作チームの情熱の証と言えるでしょう。タイトルの「Ben-Joe」は「トイレ」という意味で、摂食障害と向き合う人々が苦しむ場面を象徴しています。
現在の状況と応援のお願い
現在、本作は日本での配給を目指し孤軍奮闘中です。若い世代が抱える問題を正面から見つめ、解決に向けての第一歩を踏み出すための作品として、ぜひ多くの方々に知っていただきたいと思っています。公式サイトやSNSを通じての応援をよろしくお願いいたします。
公式リンク