2025年10月18日、東京都内にて、公益財団法人千本財団が主催する「第1回千本賞」の授賞式が開催されました。この賞は、革新的なビジネスを展開する若手起業家たちを表彰し、彼らの挑戦を支援することを目的としています。特に、AIおよび半導体、グリーンおよびソーシャル分野で活動する起業家が対象となります。
授賞式では、AIおよび半導体部門から最優秀賞に輝いた高橋亮祐氏(株式会社Acompany)は、機密データを暗号化したまま活用できるAIクラウドサービスを提案しました。この技術により、企業はデータ保護と効率的な情報活用を両立させることが可能になります。高橋氏は、自らのミッションとして「信頼性のあるデータ活用」を掲げ、専門家チームを設立し、この分野でのリーダーシップを発揮しています。
優秀賞を受賞した古城巧氏(Zaimo株式会社)は、経営管理AIエージェント「Zaimo.ai」を開発しました。このエージェントは、財務管理や業績分析を効率化し、経営者に寄り添った支援を行います。また、国本和基氏(freecracy株式会社)が手掛ける「Talents Force」は、企業内のスキル管理を支援し、社員のリスキリングを実現するシステムです。これらの革新的な技術は、企業の成長と人材育成に大いに貢献するものと期待されています。
続いて、グリーンおよびソーシャル部門では、最優秀賞に輝いた中井洸我氏(株式会社クロスメディスン)は、赤ちゃんの感情をAIで可視化するアプリ「awababy」を開発しました。このアプリは、育児ストレスの軽減を図り、産後のうつ病予防にも寄与することを目指しています。中井氏のプロジェクトは、社会的な課題に対する強い意識を表しており、その影響力は計り知れません。
また優秀賞を受賞した村上健太氏(株式会社EduCare)は、教育格差の解消に向けて新たな銀行を設立する取り組みを行っています。これは、学費支援が特に必要な学生を対象にしたローンを提供し、若者の未来に光を差し込もうとする試みです。さらに中川悠樹氏(特定非営利活動法人AYA)が展開している「AYAインクルーシブ映画上映会」も注目されます。このプログラムは、病気や障がいを持つ子供たちとその家族が安心して文化体験を享受できる環境を提供することを目指しており、実際に150回のイベントが行われ、17,908名が参加しました。
授賞式には、財団の理事や評議員、選考委員、受賞者のスピーチを聞くための来賓が集まり、だれもが関心を持つ新しいビジネスアイデアと価値創造の瞬間に立ち会いました。受賞者たちによる未来に向けた情熱的なスピーチは多くの参加者に感動を与え、これからの展望を語る機会となりました。
今後、千本財団では、最優秀賞の受賞者に対し、1年間のメンタリングプログラムを提供し、さらなる成長を促進していくことが決まっています。また、次年度の「第2回千本賞」の応募も2026年4月に始まる予定です。このように、起業家たちの挑戦は新しい社会を形成するためになくてはならないものであり、今後も彼らの取り組みに目が離せません。
千本財団は、アジア太平洋地域の学生への奨学金供与を通じて、次世代のリーダーを育成する事業を展開しています。また、AIおよびソーシャル分野における起業活動を支援することで、未来の社会を共に創造することを目指しています。詳しい情報や問い合わせは、公式サイト(https://www.semmoto.or.jp)からも得られます。