サクソバンク市場予測
2023-02-10 14:30:01
サクソバンク、2023年第1四半期市場予測を発表:円高、実体経済重視が鍵
サクソバンク、2023年第1四半期市場予測を発表:円高と実体経済への回帰が注目
世界的な金融機関であるサクソバンクが、2023年第1四半期の市場予測を発表しました。注目すべきは、日本円と実体経済への回帰という2つの大きなテーマです。
円高トレンドの継続
昨年末には1ドル150円台まで急騰したドル円ですが、その後、日本円は大幅に上昇しました。サクソバンクは、この円高トレンドが少なくとも第1四半期、ひいては第2四半期初めまで続くと予測しています。これは、他国の中央銀行が金融引き締めを緩和する中、日銀が現状の金融緩和政策を維持、もしくは緩やかに修正するとの期待感、そして世界経済の先行き不透明感の高まりが、円高要因として作用すると分析しているためです。
デジタル経済から実体経済への回帰
サクソバンクのアナリストは、長らく無形資産への投資が中心だったデジタル経済から、有形資産を重視する実体経済への転換を指摘しています。S&P500の時価総額の90%を無形資産が占める現状を踏まえ、財政・金融政策、グリーン・トランスフォーメーション、デジタル化といった世界的な目標達成には、実体経済の強化が不可欠だと主張しています。そのためにはインフラ整備、環境に優しいエネルギー生産、そして生産性向上が重要だと結論付けています。
その他の注目ポイント
サクソバンクの予測は、円高と実体経済への回帰以外にも、多くの重要な市場動向をカバーしています。以下に主なポイントをまとめます。
株式市場: グローバル化時代の終焉と共に、世界経済は転換期を迎えています。この転換期において、有形資産セクターは近年、無形資産セクターをアウトパフォームしており、この傾向は今後とも続くと予測されています。
コモディティ市場: 中国経済の再開を背景に、コモディティ市場は好調なスタートを切ると予想されています。中国の政策が市場パフォーマンスを大きく左右するでしょう。
ユーロ圏経済: 予想以上に堅調なユーロ圏経済は、リセッションを回避できる可能性が高いとされています。
オーストラリア経済: 中国経済の再開によるコモディティ需要の増加から、資源国であるオーストラリア経済は恩恵を受けると予想されています。
アジア経済: 中国依存からの脱却が進み、アジア諸国間の協力関係強化が期待されています。
中国経済: 経済再開に向けた政府の政策によって、中国株式市場の上昇、コモディティ市場の活性化、世界経済の成長に貢献すると見込まれています。
暗号資産: 個人投資家の取引減少によって、投機的な側面が薄れ、より持続可能な市場が形成される可能性が指摘されています。
60/40ポートフォリオ: 長期にわたり主流だった株式60%、債券40%のポートフォリオは、金利上昇と株式市場の弱気相場によって、新たな局面を迎えているとされています。
まとめ
サクソバンクの2023年第1四半期市場予測は、世界経済が新たな転換期を迎えていることを示唆しています。日本円の動向、実体経済の重要性、中国経済の再開、そしてコモディティ市場の将来性などは、今後の投資戦略を考える上で重要な要素となるでしょう。ただし、これらの予測はあくまでも分析に基づいたものであり、投資判断の最終的な責任は投資家自身にあることを忘れてはいけません。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資にはリスクが伴いますので、ご自身の責任で判断してください。
会社情報
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サクソバンク証券株式会社
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