太陽ホールディングス、2025年度エレクトロニクス事業戦略を発表
2025年5月20日、太陽ホールディングス株式会社とその子会社である太陽インキ製造株式会社が、エレクトロニクス事業戦略発表会を初めて開催しました。この発表会では、次世代技術や新製品に関する重要な情報が披露されました。
事業戦略の概要
太陽ホールディングスは、エレクトロニクス事業を地域の基盤事業として位置づけ、その成長のための戦略を明確にしています。現在は、主力製品であるソルダーレジストの強化に加え、新たな挑戦として非ソルダーレジスト製品の開発を進めています。これにより、さらなる製品ラインアップの拡充と市場競争力の向上を目指しています。
発表会では、太陽ホールディングスの上席専務執行役員であり、エレクトロニクスカンパニーのCTOでもある峰岸昌司氏が登壇しました。彼は、ソルダーレジストに蓄積された技術を活かし、プリント基板以外の市場への展開も視野に入れていることを説明しました。特に、持続的な成長を目指す中での新規事業の創出についての重要性が強調されました。
また、昨年設置された技術開発センター「InnoValley」における研究開発の進展についても言及され、同センターから誕生した新製品についての情報が共有されました。
新製品の紹介
新しく発表された製品は、「HSP-10 HC3W」という次世代の放熱ペースト材料です。この製品は、パワー半導体実装基板における熱設計の課題を解消するために開発されました。従来のTIM(熱伝導性材料)には、高い信頼性と機械強度を持つ製品が不足していたため、これを補う新しい解決策としての位置づけを持ちます。
HSP-10 HC3Wは、すでに大手自動車部品メーカーの車載チャージャーコンバーターに採用されており、2026年1月からの本格的な量産が見込まれています。この新製品のコンセプトには、長期間にわたる信頼性、優れた放熱性、絶縁性に加え、機械的強度の向上も含まれています。このように、次世代の放熱材料としての実力を証明することを目指して開発が進められました。
発表者のコメント
発表会では、峰岸昌司氏が今後の技術開発への期待を述べ、InnoValleyが開発する製品が社会にどのように寄与できるかに注目が集まっていると説明しました。宮部英和氏も登壇し、新製品の具体的な技術的特長について、熱硬化性樹脂を使用し、スムーズな表面を得ることで放熱性を確保した点を強調しました。
今後の展望
太陽ホールディングスは、エレクトロニクス分野において今後も技術開発を推進し、革新性をもって日本の製造業の未来を切り開くことを目指しています。新製品HSP-10 HC3Wを中心に、ソルダーレジストにおいて世界No.1の製造業者としての地位を確立し、市場のニーズに応える製品展開を進めていくことでしょう。
この発表会は、太陽ホールディングスのエレクトロニクス事業の重要性とその成長戦略を理解するための貴重な機会となりました。これからの技術革新に期待が寄せられます。