京都・智積院茶寮桔梗が提案する新しい精進料理とは

京都・智積院茶寮桔梗の新たな精進料理

京都の東山、智積院の境内に位置する「智積院茶寮桔梗」は、伝統的な精進料理をより一層洗練させた新メニューを提供開始しました。今回のリニューアルでは、食事を「身体を満たす行為」から「心を整える体験」へと再定義し、動物性食材を一切使用しない完全プラントベースのメニューを展開しています。これにより、年々増加する海外からのヴィーガン・ベジタリアンの需要にもしっかり応えています。

智積院の静けさと文化を感じる

智積院は、桃山時代の歴史的な文化を今に伝える山中の寺院です。境内には名勝「利休好みの庭」や、国宝に指定されている長谷川等伯の障壁画を中心に約八万点もの貴重な収蔵品が存在します。こうした文化財に囲まれた静かな環境の中で味わう精進料理は、単なる食事ではなく、心の平穏を得る貴重なひとときです。庭や国宝が宿す精神を受け継ぎ、心が静まる食の体験を提供します。

心を整える味へのこだわり

今回のリニューアルでは、素材そのものの旨味と香りをより繊細に引き出すために出汁の配合を見直しました。調味料のひとつひとつにも、「静けさ」と「調和」という理念を組み込み、京都の土地に寄り添う味わいを追求しています。特に動植物から得たエッセンスを巧みに組み合わせた料理は、ただ食べるのではなく、哲学的な体験へと導いてくれます。

伝統の「根来汁」に触れる

智積院の精進料理に含まれる「根来汁」は、長い歴史を持つ由緒ある料理です。仏前に供えられ、あずきが入った汁物は、智積院において今も法要後にいただかれる風習が残っています。この根来汁を、智積院茶寮桔梗では参拝客の方々にもお楽しみいただけるように提供しています。古くから受け継がれてきた味わいを通じて、智積院の精神と文化を実感していただけることでしょう。