セイコーエプソンがOktaのAuth0を新たな認証基盤に導入
セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、グローバルに展開する顧客向けサービスにおいて、Oktaが提供するアイデンティティ管理サービス「Auth0」を採用することを発表しました。この新たな認証基盤の採用により、エプソンはセキュリティを強化しつつ、ユーザー体験の向上を目指します。
認証サービスのクラウド化が必要な背景
昨今、サイバー攻撃はますます巧妙化しており、企業はこれに迅速に対応する必要があります。エプソンは従来、独自に運用していた「Epson Global ID」を顧客向けサービスの認証基盤として使用していましたが、内製による開発体制では新たなセキュリティ脅威への対処に限界を感じていました。
そこで、クラウド型認証サービスへの移行を決断し、柔軟な顧客体験と高いセキュリティ性を両立するための基盤を構築することにしました。様々な選択肢の中から、Auth0が最適と判断され、採用されることが決まりました。
Auth0採用の理由とは
Auth0の導入において重視されたのは、そのAPIベースの認証・認可機能の柔軟性と国内外での豊富な実績です。また、最新のセキュリティ対策を常に取り入れることができるという点も、顧客に対し安心感を与える重要な要素でした。
このプロジェクトは、エプソンのDX推進本部が主導し、技術的な検討や経営層の承認を経て正式に導入が決定されました。導入時には、既存の認証基盤と連携する業務システムの担当部門、国内外の地域販売会社の技術部門とも連携し、全社的な体制で進められました。
新認証基盤への移行プロセス
新たな認証基盤の導入に向けて、既存システムからの移行設計と検証が行われました。多くの関連システムが存在する中で、既存のサービスに与える影響を最小限に抑えるため、段階的な移行が実施されました。また、Oktaが提供するプロフェッショナルサービスにより、新認証基盤の導入における技術的なサポートも受けました。
技術セッションを週次で実施し、プロジェクト期間中に発生した112件の技術的な課題もすべて解消されました。最終的に、Auth0テナント全体のレビューも行われ、安心して本番リリースを迎える準備が整いました。
導入後の成果と今後の展望
Auth0の導入により、エプソンでは2025年9月時点で5つ以上の顧客向けサービスが連携したEpson Global IDを構築しています。また、同時に多要素認証(MFA)の実装も実現し、2025年5月からエプソンの会員ページ「MyEPSON」のログイン機能がアップデートされ、2段階認証が導入されました。
今後も、最新の認証技術を柔軟に取り入れた上で、ユーザビリティとセキュリティの両立を図りながら、グローバルにおける顧客体験の提供を拡充していく予定です。
Okta Japan株式会社の代表取締役社長、渡邉崇氏は「日本を代表するグローバルカンパニーであるエプソン様にAuth0をご採用いただいたことを大変光栄に思います。Auth0を通じて、エプソン様のグローバルなお客様に向けて、より安全でシームレスなデジタル体験の提供を支援できることを嬉しく思います」と述べています。
企業紹介
エプソンは、「省・小・精の技術」で人々の生活をより良くすることを理念に持つ先進的な企業です。ホームオフィスプリンティングや商業産業プリンティング、生産システム、そしてビジュアル・ライフスタイルの変革を通じて、社会問題の解決に取り組んでいます。また、2050年までに「カーボンマイナス」と「地下資源消費ゼロ」を達成することを目指しています。エプソンのビジョンは、すべての人により良い生活を提供することです。
詳細情報は、
エプソンの公式ウェブサイトをご覧ください。
Oktaは、「The World’s Identity Company™」として知られ、アイデンティティを保護することでテクノロジーの安全な利用を実現しています。そのカスタマーおよびワークフォースソリューションは、企業や開発者がアイデンティティの力を活用できるよう支援します。詳しくは、
Oktaの公式ウェブサイトにてご確認ください。