著作権を尊重したAI活用、CCCが新ライセンスを発表

2024年7月23日、マサチューセッツ州ダンバースにある著作権クリアランスセンター（CCC）が、年間著作権包括ライセンス（ACL）において、初めて人工知能（AI）による再使用権を提供することを発表しました。この革新により、ユーザー組織内のAIシステムで著作権で保護された著作物の合法的な利用が可能となります。

CCCは、長年の間、著作権遵守の促進やイノベーションをリードする存在であり、今回のライセンスは、企業が求める著作権で守られたコンテンツの効率的かつ合法的な使用をサポートします。最新のACLでは、さまざまな著作物に基づくAIシステムに対して、企業が求める許諾コンテンツの利用を初めて認める形となりました。これにより、権利者は自らの著作物が使用される際の収入を得ながら、ストレートな利益を享受することが可能になります。

CCCのCEO、トレーシー・アームストロングは、AIと著作権遵守の両立が実現可能であることを強調。著作権者に対する例えの使用料の還元や、ユーザーにとっての一貫性のある権利の効率的なアクセスを提案しました。アームストロング氏はさらに、責任あるAIの開発には、著作権を意識した倫理的な姿勢が必要であることを指摘しています。

この新しい著作権ライセンスは、研究開発やビジネスの効率を高めるAIの進化を支える要素となります。AIシステムは魅力的かつ高品質なコンテンツを使用し、それをデータとして蓄累しながら学習を深めていきます。著作物の効果的な活用は、AIシステムが充分な成長を遂げるための重要な基盤でもあります。

出版社協会のマリア・パランテ氏は、AIが発展するために著作権の重要性を再認識する必要があると語っています。著作権を守ることで著作者や出版社は保護され、同時にインセンティブも与えられることで、AI開発者と著作権者との国内バリューチェーンの健全な発展が促されます。この全員に利益がもたらされる状況が、次世代市場の成長を支援すると捉えています。

CCCのCTO、バビス・マルマニスは、創作者と著作権に対する認識を高めることで、責任あるAIのイノベーションが加速することを示唆しました。これにより、新たな創作物が生まれ育つ環境が整い、AIソリューションの更なる進化が期待されます。

「ACL for Business」や「多国間著作権ライセンス」など、各種著作権包括ライセンスは、CCCがユーザーのニーズに密着した形で展開しています。CCCはまた、効率的で整合性のある著作権ライセンス提供を通じて、より多くの企業にアクセスを許可し、シンプルに著作物を取り扱える環境を提供しています。

最後に、CCCは国際的に著作権遵守を推進し、業界の新しい動向に対応した教育プログラムやリソースを提供することで、創作者と権利者を支える重要な役割を担っています。非常に重要なトピックであるAIと著作権の交点での革新は、今後も注視すべきテーマです。