五感で深めるケア
2015-12-08 17:21:59

五感で深める認知症ケア—ダスキンセミナーの新たなアプローチ

近年、認知症ケアは新たなアプローチが求められています。特に五感の刺激が、認知症高齢者や軽度認知障害者のQOL向上に果たす役割が注目されています。この度開催されたダスキンのセミナーでは、大阪大学の佐藤眞一教授が最新の研究成果をもとに、認知機能を囲む五感刺激の重要性やそのメカニズムについて解説しました。

教授によると、視覚は人間が受け取る情報の約90%を占めているため、特に五感の中でも「視覚」が重要だとされます。認知機能に問題がある方々は、視覚を通じて得られる情報処理がスムーズに行えず、不安やストレスを感じることが多いのです。そのため、日常的に五感を活用することが、認知機能の予備力を高め、認知症の発症を遅らせるという研究成果が進められています。

セミナーの後半では、色彩が持つ力に焦点を当てたトークセッションが行われました。株式会社カラースペース・ワムの代表取締役、ヨシタミチコ先生と佐藤教授が共に開発した「色彩組色®ドリル」が紹介され、色彩がどのように認知症ケアに貢献できるかが語られました。

色彩には、物や人、環境の印象を変える「印象を変える力」と、心理的な感情に影響を与える「心理のあり方を変える力」があるといいます。過去17年にわたる介護現場での色彩の実践を通じ、色の選定や配置を変えることで、介護の質やコミュニケーションの活性化が実現されたことが示されています。例えば、職場環境でカーテンや食器などの色を変えることで、スタッフと高齢者の双方向の交流が促進され、ポジティブな雰囲気が醸成されるのです。

新たに開発された「色彩組色®ドリル」は、結晶知能を刺激する6つの色彩効果を活用しています。参加者は色を選び、色紙を用いて自らの作品を完成させる過程で、喜びや自信を経験することができます。このような活動は、心のケアや信頼関係の構築にもつながります。

さらに、今回のセミナーでは「組色」作品コンテストを目指すことが提案され、目標を持つことで高齢者の生きがいや交流の機会が生まれることが期待されています。五感を活用した新たな認知症ケアの可能性は、今後さらに広がっていくことでしょう。

こうした取り組みが進んでいく中で、色彩福祉の理念に基づいた「色彩組色®ドリル」が、いかに高齢者の生活の質向上に寄与するかが注目されます。今後もダスキンでは、認知症ケアの新しいアプローチを追求し続けることでしょう。

会社情報

会社名
株式会社ダスキン
住所
大阪府吹田市豊津町1番33号
電話番号

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