企業におけるDX人材育成の課題:デジタル学習への意識とギャップ
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社が実施した「はたらく個人のデジタル学習実態調査2024」の結果、企業におけるDX人材育成の現状と課題が浮き彫りになりました。2023年度に引き続き、企業で働く5,000人を対象に実施された本調査では、デジタル学習への意識や取り組み状況、そして企業からの学習機会提供状況などが明らかになりました。
デジタル学習への意識とギャップ
調査結果によると、企業で働く人の約6割がデジタル学習に取り組んでいないことがわかりました。その背景には、デジタル学習の必要性を感じていない人が多いという実態があります。特に「学ばない人」の約半数は、デジタル学習の必要性すら認識していないという現状です。
一方で、デジタル学習に取り組んでいる人たちは、企業におけるDXの必要性と将来に向けたデジタル学習の重要性を認識しています。そのため、企業からの学習機会提供を強く求めています。
企業におけるDX人材育成の課題
企業にとって、DXを推進し競争力を強化するためには、従業員のデジタルスキル向上は不可欠です。しかし、現状では企業からの学習機会提供が不足していることが課題となっています。調査によると、企業からデジタル活用を学ぶ機会が提供されていると感じる人はわずか17%にとどまり、2023年度から大きな変化は見られませんでした。
企業が取り組むべき具体的な施策
企業は、従業員のデジタルスキル向上を促進するために、以下の取り組みを強化する必要があります。
1.
DXの目的と重要性を理解させる: 企業のDX戦略やデジタル化の必要性を従業員に明確に伝え、デジタル学習の重要性を認識させる必要があります。
2.
学習機会の提供: 従業員がデジタルスキルを習得できるよう、オンライン学習プログラムや社内研修などの学習機会を提供する必要があります。
3.
学習意欲の向上: 従業員の学習意欲を高めるために、学習内容と業務の関連性を示し、デジタルスキル習得がキャリアアップや業務効率化に繋がることを明確に示す必要があります。
4.
学習成果の評価と活用: 学習内容を業務に活かせるよう、評価制度を導入し、学習成果が業務に反映されるようにサポートする必要があります。
ラーニングデザインによる学びの体験価値向上
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社では、単なる学習コンテンツの提供ではなく、学習者の意欲や成果を最大化するため、将来につながる学習者起点の体験に重点を置いたアプローチを推奨しています。そのために、学習計画から実践までを総合的に設計する“ラーニングデザイン”が重要となります。
まとめ
企業におけるDX人材育成は、企業の成長と競争力を左右する重要な要素です。従業員のデジタルスキル向上を促進するためには、企業は学習機会の提供、学習意欲の向上、そして学習成果の評価と活用に力を入れて取り組む必要があります。