EntaarがエンタープライズIT市場に新風を吹き込む
株式会社Entaar(エンター)は、現在のエンタープライズIT市場での構造変革を目指し、1.5億円のプレシリーズAの資金調達を成功させました。この資金調達は、株式会社ジェネシア・ベンチャーズを引受先とした第三者割当増資を通じて行われ、Entaarの累計資金調達額は約2.1億円に達しました。これにより、特に大手企業を対象としたAI共創型のエグゼキューションサービスの普及と、その導入促進に向けた取り組みが一層強化されることでしょう。
市場の課題とEntaarのアプローチ
日本のエンタープライズIT市場は、長い間SIerやコンサルティング会社、IT代理店といった既存のプレイヤーによって支配されてきました。これにより、新しく参入する企業のチャンスが限られ、業界の新陳代謝が起きにくい状況が続いています。特に、近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)というトレンドが言及される一方で、実際の現場では深刻なIT人材不足が問題視されています。
このような背景を受け、Entaarは「テクノロジー経済圏の再構築」をミッションに掲げ、AIを活用した新しいサービスを展開しています。従来の属人的な業務プロセスに依存することなく、IT投資や企画業務の標準化と体系化を図ることを目的としています。
AI共創型エグゼキューションサービスの詳細
Entaarの提供するサービスは、IT人材のシェアード化とAIとの共創による新しい支援モデルの構築にフォーカスしています。具体的には、顧客企業ごとのIT関連情報や実務ナレッジを蓄積したデータベースを形成し、それを通じてエグゼキューションサービスを強化しています。これにより、ユーザーは業務上の壁打ちや自社のITポートフォリオの分析、RFP(提案依頼書)やシステムの変更計画の自動化など、さまざまな支援が受けられるようになります。
資金調達の目的と今後の展望
今回の資金調達は、Entaarの既存サービスの強化や新規事業の立ち上げに寄与することを目的としています。特に、IT実務者向けエグゼキューションサービスの普及に注力し、さらに顧客とのリレーションを基に他の領域へも進出する計画です。これにより、ITマーケットプレイス事業の展開やITディストリビューター市場の改革にも挑戦する意向を示しています。
また、これに伴い、開発や営業の責任者といった主要ポジションの採用を強化する方針です。
投資家のコメント
本ラウンドの引受先であるジジェネシア・ベンチャーズの代表取締役である田島聡一氏は、エンタープライズIT市場のさらなる成長の可能性に触れ、Entaarの取組がどのようにこの市場を革新するかに期待を寄せています。既存投資家であるアスエネの西和田浩平CEOも、Entaarが目指す市場改革の重要性を強調しています。
まとめ
株式会社Entaarの今後の展望は多岐に渡りますが、特にAIとテクノロジーの融合による新たなソリューション提供は、企業にとっての競争優位性を高める重要な要素となるでしょう。これからも、Entaarの挑戦と成長に目が離せません。