ユカリアが米Hippocratic AI社と提携しAIヘルスケアエージェントを発表

ユカリアとHippocratic AI社が手を組む

医療現場に革命的な変化をもたらす新たな提携が結ばれました。株式会社ユカリアは、米国に本社を置くHippocratic AI, Inc.と資本業務提携を締結し、対話型生成AIヘルスケアエージェントの開発に着手します。この新たなAIソリューションは、医療行為の範囲外での患者対応を専門に行うもので、年内に国内でのサービス提供を開始する予定です。

医療現場の革新

ユカリアの三沢代表取締役社長は、「超高齢社会の日本において、医療職の人材不足や過重労働は深刻な社会課題である」とし、このAIヘルスケアエージェントが医療従事者をサポートし、業務の効率化を図ることでより多くの患者に高品質な医療提供が可能になると述べました。その実現に向けて、ユカリアは国内の医療機関への導入を進め、多様な活用法を検討するとしています。

提携先のHippocratic AI社は、医療の現場で直面する課題を解決するために、安全性を重視した生成AIヘルスケアエージェントの開発を行っている企業です。彼らのAIエージェントは、患者とリアルタイムでの対話が可能で、過去300,000回以上の通話試験を通じてその安全性が確認されています。さらに、実際の患者との通話は185万回を超え、AIによる問答は今も続けられています。

具体的な機能

この新しいAIヘルスケアエージェントは、次のような業務をサポートします：

- 事前の問診
- 受診の予約受付及び退院後の状況確認
- 医療職への照会
- 服薬に関するリマインド

ただし、医療法に基づく診断や助言はAIの対象外とし、医師や看護師と連携したエスカレーションが必要な場合は人間の医療従事者に引き継がれる仕組みです。このため、患者に対する対応が安全に行われることが担保されています。

HAIも自社の生成AIに関する取り組みを強化し、近年有に4.2兆のパラメータからなる新しい言語モデル「Polaris 3.0」を発表しました。このモデルは、医療現場での業務における精度と安全性の新たな基準を設けたもので、具体的なエビデンスに基づいています。

今後の展望

ユカリアとHippocratic AIは、今後日本語対応のAIヘルスケアエージェント誕生に向けて共同開発を進め、具体的な導入を図ります。この提携により、現場で働く医療従事者はより専門的な業務に専念でき、患者に対するケアの質が向上することが期待されています。

HAI CEOのムンジャール・シャー氏は、「日本のヘルスケアシステムはトップクラスの品質を誇りますが、現在大きな課題を抱えています。我々はテクノロジーによりその体制の対応力を拡張し、質と信頼性を失わずに患者満足度を高めることを目指します」とコメントしています。

この提携によって、国内の医療機関が抱えるさまざまな問題に対する解決策が提供されることが期待され、今後の進展が注目されます。