看護師白書2023、労働環境の課題
2024-07-08 14:02:26

看護師の労働環境、深刻な実態が明らかに!サービス残業は増加傾向、ハラスメント経験者は8割超え!「看護師白書2023年度版」から見えてきた課題

看護師の労働環境、深刻な実態が明らかに!サービス残業は増加傾向、ハラスメント経験者は8割超え!「看護師白書2023年度版」から見えてきた課題



株式会社マイナビが運営する看護人材紹介サービス「マイナビ看護師」は、登録会員2,608名を対象とした「看護師白書2023年度版」を発表しました。本調査では、看護師の労働環境に関する深刻な実態が浮き彫りになっています。

サービス残業・早出は増加傾向、看護記録作成が負担に



調査結果によると、76.1%の看護師がサービス残業・早出を経験していると回答。これは前年比で8.1ポイント増加しており、増加傾向にあることが明らかになりました。

残業の主な理由は「看護記録」の作成で、57.7%と最も多い割合を占めています。患者対応や診療補助など、患者と直接関わる業務以外にも、時間外労働が発生している状況が伺えます。

医師の働き方改革の影響で、看護師への負担増加も



近年注目されている「医師の働き方改革」は、看護師にも大きな影響を与えているようです。調査では、52.9%の看護師が「医師の働き方改革による影響がある」と回答しました。

具体的には、勤務時間外の医師への連絡を控えることや、タスクシフトによって医師から看護師へ業務が移行されるようになったことなどが挙げられます。医師の負担軽減のために、看護師への業務量が増加している現状がわかります。

職場でのハラスメント経験者は8割超え、深刻な実態



職場でのハラスメントについては、8割近くの看護師が「受けたことがある」または「見たことがある」と回答しました。ハラスメントの加害者は「上司」が最も多く、69.9%を占めています。次いで「先輩」が41.0%となっています。

ハラスメントの内容としては、パワハラやマタハラが多く見られました。上司や先輩からの言葉による攻撃や、妊娠・出産・育児に関する差別的な発言などが報告されています。

さらに、患者からのハラスメントも32.3%と、決して少なくない割合を占めています。患者からのセクハラやペイハラ(ペイシェント・ハラスメント)に悩んでいる看護師もいることがわかりました。

医療従事者の働きやすい環境作りが急務



今回の調査結果から、看護師を取り巻く労働環境の厳しさが改めて浮き彫りになりました。サービス残業や早出の増加、医師の働き方改革による負担増加、ハラスメントの横行など、多くの課題が山積しています。

医療機関は、時代の変化に柔軟に対応し、看護師がより重要度の高い業務に集中できるような環境作りに取り組む必要があります。特に、時間外労働の削減やハラスメント対策は喫緊の課題と言えるでしょう。

超高齢化社会を迎え、医療従事者への負担はますます大きくなると予想されます。看護師が安心して働き続けられる環境を作ることは、質の高い医療を提供していくために不可欠です。


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