映画界の巨匠・山田洋次監督が語る真髄
今年10月15日、映画界の巨匠・山田洋次監督の名著『映画をつくる新装版』が、47年ぶりに復刊されることが決定しました。この本は1978年に初めて刊行され、多くの映画ファンに愛されてきました。この復刊は、彼の映画作りに対する真摯な姿勢や独自の哲学を再び多くの人々に届ける絶好の機会となります。
映画作りの深層を探る
本書は、山田監督の映画作りに対する深い思いを表現した貴重な作品です。著者の言葉を借りれば、「映画をつくるという仕事は、対象を愛すること」であり、彼の作品には常にその愛情と情熱が込められています。
本書は、初監督から17年経った頃、すなわち『男はつらいよ』シリーズを年2本撮影していた40代後半の時代に書かれたものです。この時期に山田監督は、『幸福の黄色いハンカチ』などの名作を手がけており、その経験に基づき映画制作の哲学を語っています。
目次から見る映画の本質
復刊された本書には、山田監督自身による新装版への前書きが添えられており、今後もさまざまな映画を通して社会現象を見つめ直す視点を提供しています。目次の中には、映画との出会いやその経験に至るまで、彼自身の思い出が詰まっています。特に『男はつらいよ』の誕生については多くの読者にとって興味深い内容となるでしょう。
さらに、映画制作の技術やモチーフについての章では、創作過程での衝動の力や脚本について詳しく語られており、具体的な例として『家族』や『幸福の黄色いハンカチ』の制作過程も取り上げられています。
俳優の心と映画のリアリズム
山田監督の演出に関する章では、映画制作におけるスタッフとの信頼関係や、俳優の生い立ち、演出家の責任についても触れられています。名優・渥美清さんとの関係や、彼の素晴らしい演技力についての記述も読みどころです。
この本は、映画を愛するすべての人々にとって、映画の本質を理解する大いなる手助けとなることでしょう。
復刊の情報と詳細
新装版『映画をつくる新装版』は、204ページにわたり、映画制作に関する貴重な知見が盛り込まれています。定価は2,000円(税別)で、ISBNは978-4-272-61248-2です。発売は10月15日であり、各大手書店およびオンライン書店での購入が可能です。特に、Amazonや楽天ブックスでは、お求めやすく提供されています。
映画界の変遷と山田洋次の影響
山田監督は1931年生まれの大阪府出身で、1954年に松竹に入社し助監督としてキャリアをスタート。以来『男はつらいよ』シリーズや『家族』、『幸福の黄色いハンカチ』など数多くの名作を生み出してきました。現在は日本藝術院の会員や文化勲章受章者としても知られ、映画界における彼の存在感は絶大です。
今後も彼の新作『TOKYOタクシー』が2025年に公開予定であり、さらなる映画の進化が期待されています。この復刊を通して、彼の理念や作品に対する理解を深めることができるでしょう。