日本人の平均寿命再考シフト:2025年に向けて
厚生労働省が2025年7月25日に発表した最新データによると、日本人の平均寿命は延び続けています。しかし、数字の上での長生きだけでなく、私たちが本当に目指すべきは「健康で若々しい老後」であると考えられています。その実現には、日々の食生活や運動など、生活習慣が大きな役割を果たします。最近では、遺伝子の働きを制御する「エピジェネティクス」の観点から、生活習慣と健康、老化との関係を探る研究が進んでいます。
エピジェネティクスと健康
エピジェネティクスとは、後天的な遺伝子制御の状態を指します。この観点から見ると、生活習慣が健康に及ぼす影響は単に表面的なものではなく、遺伝子の働きに深く関わっていることがわかります。特に、長期間の不規則な生活習慣やストレスが続くことで、エピジェネティックな変化が蓄積され、健康障害のリスクが増加することが示されています。
これは「遺伝子に貼られた付箋紙」と例えられ、習慣の長期的な積み重ねが健康に与える影響は大きいことを意味します。しかし、逆に言えば、早期に生活習慣を見直せば、より良い状態に戻すためのチャンスがあるとも言えます。
若者の健康意識の変化
大正製薬が最近行った全国調査によると、50歳以上の男女の約3割が「後悔している生活習慣はない」と回答する一方で、エイジングケアや運動習慣、食事量の過多といった項目に多くの人が後悔を寄せていました。この結果からも、生活習慣が健康にどれほど影響を及ぼすかが伺えます。
日比野佐和子医師の視点
エイジマネジメントの専門家である日比野佐和子医師は、エピジェネティクスの観点から的確な生活習慣を提案しています。「エピクロック®テスト」という生物学的年齢検査を監修し、日々の食事や運動、睡眠、ストレス管理がどのように私たちの遺伝子に影響を与えるかを解析するプロジェクトに取り組んでいます。
食事と生活習慣の重要性
日比野医師によると、私たちの遺伝子は元々健康を維持するための「正しい働き方」を備えていますが、不摂生な生活やストレスが積み重なることで、エピジェネティクな変化が生じ、健康のバランスが崩れることになります。ここで注目すべきは、特定の栄養素や生活習慣の改善によって、このエピジェネティクスを“書き換える”ことが可能であるという点です。
長寿につながる食事とは
最近の研究によれば、地中海食が健康を維持するための強力な武器であることが示されています。魚介類、オリーブオイル、ナッツ類を中心としたこの食事スタイルは、抗酸化作用や健康的な脂質を豊富に含み、細胞レベルでの炎症や酸化ストレスを抑える効果が期待されています。実際にスペインの大規模な臨床研究では、地中海食の実践者が心血管疾患の予防効果を得られることが示されています。
特に、魚介類に含まれるタウリンは、細胞の健康を保つために重要であり、免疫機能や認知機能にも寄与することが分かっています。また、オリーブオイルやナッツ、野菜と果物、生全粒穀物なども、その栄養素がエピジェネティックな調整に寄与することが期待されています。
生活習慣の見直し
エピジェネティクスの観点からは、食事だけでなく、毎日の生活習慣が私たちの遺伝子に影響を与えることが重要です。適度な運動や十分な睡眠、ストレスの管理などは、遺伝子スイッチを良い方向に導く要因となります。
例えば、毎日1万歩を歩くことは、テロメアを若々しく保つために有効とされています。また、適切な睡眠環境の確保や、ストレスを軽減するための趣味の時間を持つことも推奨されます。
リーダーの皆さん、未来の自分を見据えて、今からでも食生活や生活習慣の見直しを始めることが、若々しさを維持し、健康を守る第一歩となるでしょう。遺伝ならぬ、食材や生活スタイルが、あなたの長寿の鍵を握っているのかもしれません。