物価高騰に立ち向かうシニアの食スタイル調査2025
はじめに
最近、物価高が続く中、特にシニア世代において食品選びの意識が変わってきています。ハルメク 生きかた上手研究所が実施した「食に関する意識・実態調査2025」の結果から、この世代がどのようにこの現実に対処しているのかを探ります。調査は日本全国の20歳から89歳を対象に、WEBアンケート形式で行われ、1400名からの回答が得られました。
調査のポイント
調査結果によれば、シニア世代は価格やコストパフォーマンスを重視しつつ、より健康的な食生活を意識していることが明らかになりました。特に70代の女性は、コスト面よりも「国産」や「安全性」を重視する傾向があり、安心して食材を選ぶ姿勢が見られました。
物価高に対する対応
物価が高騰するに伴い、多くの人々が食品選びで最も重視する点は「価格」や「コスパ」であることがわかりました。しかし、70代の女性はより安全性や国産品を重視するなど、特徴的な購買行動を示しています。
男女性の年代別の重視点を見てみると、以下のような結果が得られました。
1.
価格・コスパ - 特に40代と70代の男性が高く評価。
2.
美味しさ - 特に60代の女性が重視。
3.
国産 - 年齢が上がるにつれて重要性が増す。
4.
栄養のバランス - 栄養バランスを考えた選択が見られる。
5.
安全性 - 特に年齢が高い層での重視が顕著。
食品選びにおける変化
最近1年間で多くの人が購入を控えたり、購入価格を下げたりした食品群が非常に多岐にわたります。米やパン、野菜など、価格の上昇に対して様々な工夫がなされていることが確認されました。例えば、米については購入価格を下げた結果、手作りのパンを焼くようになったという声もありました。
健康重視の傾向
興味深いのは、健康を意識する傾向の強まりです。60代の女性から「おいしさ重視」から「健康重視」というシフトが見られ、健康的な食生活を送ることが重要視されています。調査では、どの年代でも自分の健康を気にする割合が増加し、70代では最も高くなっています。具体的には、以下のような要素が重視されています。
1.
健康 - 特に中高年層が急増。
2.
美味しさ - 若年層に比べて低下傾向。
3.
家族の健康 - 特に50代女性が強調。
自分自身の健康を感じる割合も53%に達し、特に70代が高い結果が得られています。
たんぱく質の重要性
本調査では、食事から摂取したい栄養成分の1位が「たんぱく質」であることも注目されます。高齢者に向かって、筋力や骨量の維持がこれまで以上に重要視されているためと考えられます。特に80代の男性、70代の女性においては、この認識が強いことがわかりました。
専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所の梅津順江所長によると、物価高騰に対する対応や健康志向の高まりから見えるのは、シニアが賢く工夫しながら生活している姿です。単なる節約ではなく、選択と工夫を重視することで、より豊かな食生活を実現しています。
まとめ
物価高騰が続く中、シニア世代の食品選びは「安さ」から「健康」へと変化しつつあります。彼らは、自分に合った選び方や工夫をしながらも、健康を大切にする姿勢を貫いています。これからの時代を生きるシニアたちの食生活は、選択と工夫の場となっているのです。