新たな絵本『やくそくぼくらはぜったい戦争しない』の登場
令和の時代において、また一つ心に響く絵本が誕生しました。それは、児童文学作家・那須正幹が遺した未発表作を基にした『やくそくぼくらはぜったい戦争しない』です。この作品は、3歳で被爆し、ひたむきに平和を訴え続けた那須氏の思いが詰まった一冊です。
本書の発表は2025年2月5日。発行元は株式会社ポプラ社で、絵を担当するのは武田美穂です。那須氏と武田氏は、過去にも数多くの作品でタッグを組んできた経験を持ち、心温まる絵と文章で再び子どもたちにメッセージを届けます。
ズッコケ三人組の作者
那須正幹は、「ズッコケ三人組」シリーズで多くの子どもたちに親しまれてきましたが、背後には深い悲しみと戦争への強い反対の思いがありました。彼は、広島で育ちながら被爆の経験を経て、平和の大切さを作品の中で伝えようと努力してきました。
本作は、もともと那須氏が2013年に書いた「ばあちゃんの詩」という歌詞から派生しています。この歌詞は、広島の被爆70年という節目に向けて依頼されたものでした。しかし、当時の編集者からは物語性が強いとされ、歌としては採用されなかったため、手元に保管されていました。その後、那須氏の死を受けて、この原稿が絵本として生まれることになりました。
絵本の内容
『やくそくぼくらはぜったい戦争しない』では、主人公の少年とその祖母の物語が描かれています。原爆によって家族を失い、深い悲しみを抱える祖母は、彼に「兄ちゃん」と呼びかけるようになります。作品の中で、少年は祖母の歴史と悲しみに寄り添いながら、一緒に「絶対に戦争しない」という誓いを立てます。
物語の中で、和平に向けての強い意志が表現されており、難しいテーマであっても、子どもたちに親しみをもって考えられるきっかけを与えることを目指します。
絵を担当した武田美穂
絵を描く武田美穂は、これまでに様々な作品で高い評価を得てきた絵本作家です。彼女が手掛けた絵本の中には、『となりのせきのますだくん』や『ねんどの神さま』などがあり、それぞれが独自の魅力を持っています。武田氏の絵は、子どもたちにとって親しみやすく、物語のテーマをビジュアル的に表現し、伝える力を持っています。
書誌情報
この絵本の定価は1,980円(税込)です。詳しい書誌情報や購入リンクは、ポプラ社やAmazonのページにて確認できます。特に、平和教育が叫ばれている今、是非とも手に取ってほしい一冊です。
まとめ
『やくそくぼくらはぜったい戦争しない』は、戦争の悲劇や重要性を若い世代に伝える貴重な作品です。子どもたちに平和の意味を考えてもらうための入口となることを強く願います。この絵本を通じて、未来を担う子どもたちが、平和への誓いを新たにすることができるでしょう。