GRIPSとLuominen Labが提案する簡易自動分注システム
株式会社GRIPSと合同会社Luominen Labが手を組んで、実験室に新たな風をもたらす「簡易自動分注システムパッケージ」を提供開始しました。このシステムは、特に高額になりがちな分注プロセスを低コストで実現することを目的としています。導入企業は、デスクトップ型のロボットアームを活用し、わずか50万円から100万円でシステムを構築することが可能です。これは、研究や教育における実験の自動化を進展させる大きな一歩と言えます。
オープンソース技術によるカスタマイズの自由度
特に注目すべき点は、その制御システムにオープンソース技術を採用していることです。これにより、ユーザーはプログラムを自由に改良・拡張でき、自身のニーズに合った使い方が可能になります。多様な条件での実験が求められる現場において、この柔軟性は非常に重要です。たとえば、酸素に敏感な反応系を扱う際には、窒素雰囲気下のグローブボックスでの使用が可能であり、低温での検体操作にも対応しています。
ミニマムコストでのスタート
また、初めてシステムを導入する際の負担を軽減するために、GRIPSは評価プロジェクトを想定した3か月単位のレンタルプランを提供しています。このプランでは、実際に使用してみてシステムの効果を実感した上で、購入を検討することが可能です。大規模な投資が必要な分注システムの導入において、このようなレンタルの選択肢があることは、特に中小規模の研究施設にとって大きな魅力となるでしょう。
提供されるパッケージの内容
提供される簡易自動分注システムパッケージは、様々な構成から選べるようになっており、たとえば以下のような内容が含まれます:
- - Dobot Magician + 簡易シリンジシステム:動作確認用のPythonサンプルプログラムや解説書も含まれます。
- - Dobot MG400 + eppendorf Xplorer®システム:こちらも動作確認プログラムと共に提供されます。
これらは、小規模の分注作業を想定して設計されています。他に導入済みのロボットがある場合は、周辺パーツや制御プログラムのみの提供も行っており、より柔軟な対応が可能です。
今後の展開と技術サポート
GRIPSでは引き続き、他社のロボットとの組み合わせによるパッケージ開発にも注力。たとえば、Opentrons OT-2との統合などが検討されています。さらに、現在開発中の汎用ロボットコントローラ「ROSSetter」により、製造業や化学、バイオ産業、食品加工など、様々な分野での利用拡大を目指しています。対応機種やシステム構成についても、今後続々と情報が開示される予定です。
会社概要
株式会社GRIPSは、教育や研究、産業分野でのロボティクスとソフトウェア開発を融合させたソリューションを提供しています。教育ブランド「i-STEM」を通じては、生成AIを活用した次世代教育コンテンツの開発に取り組んでおり、社会人向けのリスキリング教材も手掛けています。
- - 所在地: 千葉県流山市
- - 代表者: 森田康
- - ウェブサイト: GRIPS
一方、合同会社Luominen Labは、オープンソース技術を駆使したロボット・IoTソリューションの開発を行う研究開発チームで、柔軟で拡張性の高いプロトタイピングが得意です。
新しい自動分注システムは、今後の実験室や教育現場に革命をもたらすことでしょう。手軽さと高い自由度を兼ね備えたこのシステムの導入を、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。