シリアへの帰還民支援を進めるPiece of Syriaの挑戦とは
現在、シリアの情勢が大きく変化しており、アサド政権は崩壊しました。この10日ほどの間に多くの市民が自由を手にし、しかし同時に不安も抱えています。特に、アサド政権崩壊後、シリア国内では新たな政権の出現についての懸念が広がっています。
シリア国内の約90パーセントの人々が何らかの人道支援を必要としていると国連が発表しています。尽きることのない家族のニーズ、特に教育の不足は深刻な問題です。就学率はわずか33%であり、家や医療、食料が不足する中で、今後近隣国からシリアへ帰還してくる難民は多くの課題に直面します。
こうした現状の中、Piece of Syriaは彼らを支援するための取り組みを始めました。特に注力しているのは、母国語を話せない子どもたちへの教育です。トルコには多くのシリア難民が暮らしており、その中にはトルコで生まれ育ったシリアの子どもたちがいます。しかし、アラビア語を学ぶ機会は限られ、読み書きができない子どもたちが多数存在しています。このような背景を受けて、Piece of Syriaはトルコの国境に近い地域で補習校を運営し、毎年200名以上の子どもたちにシリアの文化や歴史、言語を学ぶ機会を提供しています。
教育機会を得られなかった「スキマの世代」が問題となっており、これを解決するためにも、母国語の補習講座を通じてシリアへの帰還を見据えた基盤を築くことが大切です。Piece of Syriaは2016年からシリア北西部で教育支援と心理的ケアを提供し、これまでに約5万人の子どもたちに機会を与えてきました。これにより、戦争と震災で打撃を受けた子どもたちに希望を与えています。
私たちの活動は、居住、食料、医療といった基本的なニーズに応えるためのものでもありますが、教育と心のケアに特に力を注ぎたいと考えています。2023年にトルコで発生した地震の直後には、心のケアを通じて子どもたちが学校に戻る手助けを地道に行いました。これは、彼らの将来にとって非常に重要な要素です。
Piece of Syriaの活動には、皆様の寄付が必要です。シリアへ帰還する難民のための補習校活動や心のケアを必要としている人々への直接的なサポートとして活用させていただきます。シリアを支援するための取り組みに、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。
お問合せ
取材の問い合わせについては、Piece of Syriaの中野までご連絡ください。オンラインでの取材を受け付けています。メールでのお問い合わせは、以下のアドレスまでお願いいたします。
- - 担当: 中野 貴行(特定非営利活動法人Piece of Syria 代表理事)
- - Eメール: contact@piece-of-syria.org