VCの厳しい環境
2024-09-10 18:30:10

国内ベンチャーキャピタルの厳しい環境と着実なキャッシュフローの実現

国内ベンチャーキャピタルの現状



2023年、国内のベンチャーキャピタル(VC)業界は厳しい環境に直面していますが、その中でも確かなキャッシュフローを提供する結果となっています。Preqin合同会社と日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)は、第6回パフォーマンスベンチマーク調査結果を発表しました。この調査は、国内の手堅いVC活動を可視化するものとして、多くの注目を集めています。

厳しい市場環境



2023年は、前年度同様にベンチャーやグロース市場にとって厳しい年でした。特に、大型株のTOPIXや日経平均は高騰する中で、東証グロース市場250指数は-3.3%のリターンに留まりました。これに対し、Preqinのベンチャーキャピタルインデックスは-5.5%という結果でした。しかし、国内ベンチャーキャピタルのリターンは4.7%と、他の市場と比較して安定した結果を示しました。

分配の増加



分配の面に目を向けると、EC環境が厳しい中でも国内VCファンドからの分配総額は885億円となり、前年比16%の増加を見せました。これは、過去10年間で3番目に高い水準です。このキャッシュフローは、今後のVCファンドレイズを支える重要な要素と考えられています。

特に、投資開始から10年以上が経過した2010年〜2013年ビンテージのファンドが良好なリターンを維持しており、ネットマルチプルはおおよそ2倍に達しています。さらに、2014年ビンテージについても分配が進むことでネットマルチプルが2倍を超えています。

公正価値評価の重要性



国内VC業界では、早期のM&Aエグジットや公正価値評価の採用が進んでおらず、未実現のリターンを示すのが難しい状況です。しかし、今回の調査を通じて、公正価値評価の採用を進め、浸透度をモニタリングする努力が必要とされています。表に示されたように、参加ファンド数と公正価値評価を実施しているファンド数の変化が明らかになりました。

まとめ



厳しい市場環境が続く中でも、国内VCは着実にキャッシュフローを実現し、分配の増加や安定したリターンを示しています。これにより、投資家は引き続き投資を行いやすくなると期待されています。業界の今後の動向に注目が集まる中で、データの透明性や評価基準の見直しが求められているのが現状です。今後もこの動向を継続的にフォローしていきたいと思います。


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会社情報

会社名
Preqin合同会社
住所
東京都千代田区大手町1-2-1 大手町ワンタワー6階
電話番号
03-4580-9700

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