木造建築の未来と地域産業
木造建築が地域産業に与える影響について、株式会社森未来が主催する連続セミナー「森と建築をいっしょに考える4 木造建築は、地域の産業となるのか?」が、2025年に東京都港区で開催されることが発表されました。このセミナーでは、木造建築のポテンシャルを探るとともに、地域の資源活用の重要性について議論します。
木材の持続可能性と地域資源の活用
2020年代に入ると、木材を利用した中・大規模な建築が全国的に増加しています。これは、持続可能な建築素材としての木材の価値が高まっているからです。特に2023年には、非住宅の中高層建築において木材の利用が前年比で増加したことが報告されています。しかし、問題は、使用される木材の多くが地域外や国外から調達されている現状にあります。
日本国内の人工林が成熟期を迎えているにもかかわらず、地域内での木材利用は依然限られています。これは、木材サプライチェーンが価格や物流の効率性を重視し、地域の森林資源と建築との関係を希薄にしていることを意味します。結果的に、木造建築は地域資源から乖離してしまう危険性があります。
セミナーテーマとその背景
セミナーのテーマである「木造建築は地域の産業となるのか?」は、木造建築が地域経済にどのように貢献できるかを考える重要な問いです。全国各地から集まる木材は、ただの経済的な合理性に基づいて流通していますが、それが果たして地域の発展に寄与しているかは疑問です。このような状況下、次世代のために森林を育むことができるのは、地域の産業としての木造建築があってこそと講師陣は語っています。
このセミナーは全4回の構成で、各回多様なテーマを通じて木造建築と地域産業の関連性を深めていきます。少人数制のため、参加者間の意見交換も活発に行われることが期待されています。
各回の内容
1.
第1回(9月15日予定): 「S M L XLから考える」
講師の大庭氏とともに、木材利用のスケールに応じた手法の違いについて議論します。
2.
第2回(10月11日予定): 「新潟から考える」
林業建築家の石田氏を招き、木造建築の地域産業化に向けた新潟の取り組みを紹介します。
3.
第3回(11月1日予定): 「高知から考える」
高知で活動する横畠氏が地域文化を取り入れた木造建築のあり方を提案します。
4.
第4回(12月13日予定): 「伊那谷から考える」
奥田氏を招き、地域資源との連携による木造建築の可能性について議論を深めます。
開催詳細
- - 開催方法: ハイブリッド(会場及びオンライン)
- - 開催場所: 東京都港区芝5-27-6 泉田町ビル7F
- - 定員: 30名
- - 費用: 33,000円(全4回分・税込)
参加希望者は、株式会社森未来のウェブサイトから申し込みが可能です。この機会に、木造建築と地域資源の未来を一緒に考えましょう。セミナーへの参加は、次世代の地域の森林育成につながる重要な一歩です。