河鶴の梅干し製造の背景
和歌山県みなべ町の株式会社河鶴は、創業から50年を迎える総合食品メーカーであり、地元で収穫された国産の梅を用いた梅干し作りに力を入れています。今年度も梅干しの漬け込みが最盛期を迎え、7月4日(金)には、河島伸浩代表取締役会長兼社長が自社の「みなべ工場」を訪れ、スタッフと共に作業を行いました。
現在の梅の収穫状況
今年は全国的に梅の不作が続いていますが、河鶴では不断の努力により、地域の栽培農家や取引先と強固な信頼関係を築き、例年並みの梅の確保に努めています。収穫の最盛期は6月で、漬け込みは7月に本格化します。2025年にはコメ価格の高騰が懸念されていますが、梅干しも同様に価格上昇の可能性が指摘されています。それでも河鶴は、製造と供給の安定を追求し、安価で高品質な梅干しを全国各地に届けることを目指しています。
梅干し製造の特長
河鶴の梅干し仕込みの最大の特長は、「2度漬け製法」です。この方法により、梅本来の風味を残しつつ、最高の味わいを実現しています。調味料ははちみつ梅としそ梅の2種類に限定し、オーソドックスな梅干し作りを追求。この製造工程では、一次調味を行った後、じっくりと漬け込むことで、梅の本来の甘みと酸味を引き出します。
梅の不作の影響
2025年2月は、寒の戻りにより低気温や強風が続き、ミツバチの受粉が不良となり、梅の実付きが不良となりました。また、4月上旬には雹による被害が加わり、和歌山県では2億6,379万円の被害が発生しています。この影響で、多くの農家が打撃を受け、その後も梅の落果や傷付きが広がり、被害総額は約47億円に達しています。
河鶴の今後への取り組み
河鶴の河島代表は、今年の厳しい状況にもかかわらず、農家の努力を讃えながら、収穫された梅に込められた想いを大切に梅干し製品を仕上げていく考えを示しました。また、安定した食の供給は社会的使命であるとし、品質本位の製造を続ける意向を明らかにしています。
地域社会との連携
河鶴は、和歌山県みなべ町の梅の生産地として、地元契約農家と密接に連携し、安定した梅の供給を実現しています。1日あたり3〜5トンの梅干しを製造し、全国で20000パックもの製品を出荷しています。この生産体制があるからこそ、地域密着型の企業として事業を展開し続けています。
最後に
河鶴は、今後も地元の味を守るために様々な努力を続け、消費者に安心・安全な梅干しをお届けすることに尽力しています。梅干しの安定供給を通じて、地域の経済と文化を支える役割を果たしていく姿こそ、河鶴の真骨頂です。これからの河鶴に期待が寄せられています。