新ワークチェア「SHIGA」発表イベントレポート
概要
2023年10月、株式会社イトーキが滋賀工場で新たに開発・製造したワークチェア「SHIGA」を紹介するイベントが開催されました。このイベントでは、著名なプロダクトデザイナーの柴田文江氏が登壇し、商品企画や設計に関わった開発チームメンバーとともに、SHIGAのデザイン思想や製品開発の背景を詳しく語りました。
「SHIGA」の魅力とは
「SHIGA」は、その名の通り滋賀県で生まれたワークチェアであり、長時間の使用に耐えうる快適性を提供すると同時に、ミニマルなデザインも魅力です。柴田氏は、デザインにおいて「空間に自然に馴染む」という点を重視し、機能だけでなく、椅子としての美しさや家具としての存在感も大切にしました。また、内部の構造は人間工学を考慮した設計が施され、快適さとサポート力を両立しています。
デザインプロセスの中で
柴田氏は、プロジェクトの名称が最初はコードネームであったことを明かし、滋賀工場を視察する中で、その場所が持つものづくりの力を実感し、「SHIGA」と名付けることになった経緯を説明しました。彼はこのプロジェクトを通じて、メイドイン滋賀の技術や知恵を結集したいという強い思いを持っていたと述べました。
開発チームの評価
さらに、開発チームとのコラボレーションについても触れ、彼は「ストレスを感じる場面が全くなかった」と高評価を示しました。この評価は、チーム間の良好なコミュニケーションとものづくりに対する真摯な姿勢に起因すると考えられます。
デザインの核心
デザインに関する柴田氏の思いは「できるだけシンプルに、アクセプタブルに」であり、多様なインテリアに合うよう配慮されています。しかし、シンプルであることは難しく、高度な技術が求められると同時に、それを実現できるのは滋賀工場だからこそだと彼は強調しました。
シンプルな設計を目指す一方で、ワークチェアを並べる際の圧迫感をなくすために、形状には工夫が施され、例えば首元をスッキリさせ横のラインを意識することで、空間的な広がりを演出しています。こうした細やかなデザインの工夫は、開発の初期から意識されていました。
技術的なこだわり
外観のミニマルさを保ちながらも、堅牢性と柔軟性を両立させるために、SHIGAは分割構造を採用しています。背面や裏面を含めて「360度どこから見てもA面」となるようこだわりが見られ、これにより全体の美観が向上しています。また、操作の滑らかさや使い心地も考慮され、感性に響く機能性を実現しています。
プロジェクトの進行
イベントでは、商品開発の過程や座り心地を支えるメカニズムの重要性についても触れられました。企画、設計、デザインの各メンバーが協力し合い、必要な機能を選別し小さく見せる努力が続けられ、新しい働き方に合った革新的なメカが生まれました。
参加者との交流
参加者は展示スペースで「SHIGA」の設計プロセスや初期のラフスケッチ、モックアップといった資料を通じて、当プロジェクトの深化の様子を体感しました。特に目を引いたのはデザインの裏にある技術的な工夫であり、参加者からは様々な感想が寄せられました。
柴田文江氏の紹介
柴田文江氏は、国内外で数々の受賞歴を持ち、現在は多摩美術大学の教授も務める実力派デザイナーです。「SHIGA」に込められたデザインの哲学や、彼の独自の視点から生まれる作品群は、多くの注目を集めています。
イトーキについて
株式会社イトーキは1890年に設立され、『明日の「働く」を、デザインする。』という理念のもと、オフィス家具の製造販売や空間デザインなどを展開しています。近年では、ハイブリッドワークの普及に伴い新たなワークスタイルを提案し続けています。