福岡銀行本店で松岡恭子氏が講演を実施
2026年10月3日、福岡銀行本店のFFGホールにて、NPO法人福岡建築ファウンデーション(FAF)の15周年を祝う「FAF建築文化祭」が開催される中、同社代表取締役社長で建築家の松岡恭子氏が講演を行いました。今回は、「黒川紀章と福岡銀行本店」というテーマで、黒川氏が残した影響を掘り下げました。
天神の歴史と建築への視点
松岡氏は講演の冒頭で、具体的な建物の説明をするのではなく、天神の歴史にスポットを当てることから始めました。1955年に起こった天神町市場の大火を皮切りに、その後のビル建設や福岡中央郵便局の設立、土地の交換がどのように進められたかを解説。向かいの福岡銀行本店がどのように発展していったのかを、時系列で振り返りました。
特に「Urban Roof」の大屋根の下に広がる広場に焦点を当て、内部と外部、公共と私有の空間の関係性について考察。設計者である黒川紀章の「中間領域」と「共生」という思想がどのように反映されているかを明らかにしました。
設計当時の貴重な資料
FAFでは、2015年に黒川氏のもとで福岡銀行本店の設計に携わった建築家・高井實氏へのインタビューを通して収集した貴重な資料も取り上げました。当時の初期設計案や図面、スケッチ、さらには竣工当時の写真と共に、建物が有する大きな意図と細やかなデザインの美しさについて紹介。
さらに2026年には、FAFのメンバーがこの建物内に残されている当時からの家具を調査しました。これによって、建物に込められたデザインの思想がより深く理解できるようになりました。
MAT建築ツアーで実地探訪
午前中には、FAFが定期的に開催している「MAT建築ツアー」の特別編として、福岡銀行本店を巡るツアーも実施されました。参加者たちは広場だけでなく、FFGホールやホワイエ、サンクンガーデン、さらには階段、手摺、照明、家具といった細部にまで注目しました。光や素材、空間設計の細かい部分を観察することで、建築に対する理解を深める貴重な時間になりました。
福岡建築の新たな選定
講演の後半では、FAFが新たに選定した12の建築作品を発表。この新たな選定により、福岡の名建築を集めた「福岡建築60選」のマップが更新されました。選定された建築の設計者たちには記念の盾と特別に作られた「建築クッキー」が贈られ、それぞれの設計思想やエピソードが語られました。
また、開催日当日には福岡の名建築を振り返る鑑賞会や音楽プログラムも行われ、来場者は建築の魅力と音楽を交えて楽しむことができました。
開催概要
このように、松岡恭子氏による講演は福岡銀行本店での建築文化祭として、多くの参加者に感動を与え、建築に対する新たな視点を提供しました。FAFの15周年を祝う意義深い講演となりました。
今後も株式会社大央やFAFのイベントに目が離せません。