電気自動車(EV)の普及が進む中、充電インフラの整備が急務となっています。そんな中、ABBとeMotion Fleetの画期的な連携が注目されています。ABBが提供するTerra DC急速充電器とTerra AC Wallbox普通充電器が、eMotion Fleetの「EV運行・エネルギー管理システム」(FMS/EMS)とシームレスに接続できることが確認されました。
この連携は、充電プロトコルであるOCPP(オープンチャージポイントプロトコル)を通じて実現されました。これにより、車両運行管理者はeMotion Fleetのシステムを活用し、ABB製充電器の遠隔監視や制御が可能になります。具体的には、充電データのリアルタイム取得やそれに基づいた解析が行え、運行計画に応じた最適な充電管理を行うことができます。
特に注目すべきは、デマンドコントロール機能の活用です。これにより、電力供給のピーク時間帯を避けた充電が可能になり、コスト削減と電力網の負荷軽減を同時に実現します。これは、持続可能なエネルギー供給に向けて非常に重要なステップとなるでしょう。
ABBの急速充電器、Terra DCシリーズは、90kWから180kWの出力を持ち、高速道路のサービスエリアやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなど短時間で充電が必要な場所に最適です。特にTerra 184は、同時に2台の車両を急速充電できる能力を持ち、1台充電時には最大出力150kWでの充電が可能です。これまでに世界で5万台以上が販売されており、日本国内でも1200台以上の販売実績があります。
一方、AC普通充電器のTerra AC Wallboxは、家庭やオフィス、商業施設に最適です。6kWの出力を持ち、一般的なコンセントよりも早く充電が可能です。安全性を重視し、過電流や過電圧保護などの装置が内蔵されており、第三者の安全認証機関による高い安全基準をクリアしています。こちらも世界で100万台以上が販売され、特に2022年から日本国内で自動車ディーラーを中心に1100台以上の販売を記録しています。
この連携によって、ABBとeMotion Fleetが共同で掲げる持続可能な未来へと近づくことが期待されます。業界全体が電動化の流れに乗り、効率的なエネルギー管理が求められる中で、両者の技術がどのように融合し、進化していくのか、今後の展開が楽しみです。ABBは、エレクトリフィケーションとオートメーションのリーダーとして、140年以上の歴史を持ち、デジタル化の推進によって産業の効率と持続可能性を向上させています。
ABB E-mobilityは、国内外のEVメーカーや充電ネットワーク事業者、フリート企業から信頼されるパートナーです。充電インフラの進化を支えるこの連携は、電動車両が普及する中での新たなビジョンを提示しています。充電の効率化、コスト削減、さらには環境への配慮が求められる現代において、この技術の重要性は増すばかりです。ABBとeMotion Fleetが手を組んだことで、EV充電管理の未来がより具体的に描かれていくことでしょう。