有限会社丸昇が手がける新たな農業プロジェクト
愛知県海部郡に位置する有限会社丸昇は、1985年に創業し、アパレル業界で高い評価を受けるプリント・仕上・縫製の製造業者です。しかし、最近の潮流として、同社は新たに『Magriculture Project(マグリカルチャープロジェクト)』を発足し、農業に乗り出しました。これは、持続可能な農業を目指して無農薬の綿花栽培と野菜栽培を行う取り組みです。
農業への興味と問題意識の変化
丸昇の代表取締役、安藤明弘氏は若い頃から農業に対する関心を抱いていましたが、その興味は単なる夢から具体的な行動へと進化しました。
「祖父母の家の畑で収穫した野菜が新鮮で美味しかった経験が、私の農業への興味の原点でした。しかし、年月が経つにつれ、インターネットを通じて多くの情報が手に入るようになり、日本の食料自給率の低さや食の安全性、さらには世界の飢餓問題に直面することになりました」と安藤氏は語ります。こうした問題意識から、安藤氏は農業に真正面から取り組む決意を固めました。
Magriculture Projectの始まり
2021年4月、安藤氏の想いが形となり、丸昇農業事業部が立ち上がりました。最初の目標は、自社の従業員とその家族に安全な無農薬野菜を届けることです。このプロジェクトは様々な出会いや支援を通じて、南知多町での農業活動へと繋がりました。南知多町は温暖な気候と良好な水はけの土壌に恵まれ、野菜作りには理想的な環境です。
綿花栽培への挑戦
農業を始めるにあたり、大きな気付きとなったのが『綿花栽培』です。古くからの友人からの提案をきっかけに、愛知県は知多半島で江戸時代から続く知多木綿という歴史的な繊維文化が理由で、綿花栽培にも適していることを知りました。この地域はかつて紡績が盛んで、綿花から最終製品までを一貫して生産できるポテンシャルを秘めています。
丸昇では、オーガニックコットンを栽培し、紡績・編み立てを経て製品化します。その後、自社の特殊なプリント技術を活かした独自のデザインを施すことで、他社にはできない魅力的な製品を目指しています。
持続可能な未来の展望
丸昇のMagriculture Projectは、単なる農業の試みを超え、地域社会や環境への影響を考慮した持続可能なビジネスモデルの整備を促進しています。日本全体が抱える食に関する課題の解決に向け、丸昇の役割は大きくなることでしょう。これからも、様々な取り組みを通じて、安藤氏とそのチームは未来を見据えた挑戦を続けていくことでしょう。
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