サントリー学芸賞で快挙
2024-11-12 17:22:38

中央公論新社が「サントリー学芸賞」で快挙!史上初の3部門4作品受賞!

中央公論新社、サントリー学芸賞で快挙!3部門4作品受賞!



株式会社中央公論新社が刊行した4作品が、11月12日に発表された「第46回サントリー学芸賞」において、見事受賞を果たしました。各部門計8作品中、半数を占めるという快挙は、同賞史上初となります。受賞作品は、政治・経済部門の『ジェンダー格差』(著:牧野百恵)と『三井大坂両替店』(著:萬代悠)、芸術・文学部門の『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』(著:片岡真伊)、社会・風俗部門の『台湾のデモクラシー』(著:渡辺将人)です。

社会の根幹を揺るがすテーマを深く考察した受賞作品たち



受賞作品はいずれも、現代社会の重要な課題を深く掘り下げた力作揃いです。

『ジェンダー格差』: 歴史、文化、社会における男女の差異であるジェンダー。その差別問題に対し、近年は強い批判が集まっています。本書は、実証経済学の成果を基に、就業、教育、結婚、出産など様々な事柄における格差の影響や、解消後の可能性を国際的な視点から分析しています。議員の女性枠導入や、女性への規範が弱い国における高学歴女性の出生率など、興味深いエビデンスが提示され、従来の慣習や制度に対する疑問を投げかけています。
『三井大坂両替店』: 元禄四年(1691年)に三井高利が創業した「三井大坂両替店」は、江戸幕府に委託された送金業務から始まり、その特権を活かして民間相手の金貸しへと事業を拡大しました。本書は、膨大な史料から三井の信用調査技術や法制度を利用した巧みな経営手法を解き明かします。そこには、三井の経営手法だけでなく、当時の社会風俗や人々の倫理観も垣間見ることができ、日本初の民間銀行創業に至る過程が新たな視点から描かれています。
『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題』: 大江健三郎は「日本文学は、どうしても翻訳できない言葉で書かれている」と述べています。実際、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫など、多くの日本の小説が英訳される際に、改変、省略、誤読が行われてきたという事実があります。本書は、1950~70年代の作家、翻訳者、編集者たちの異文化間における葛藤の根源に迫り、米クノップフ社のアーカイヴ資料などを用いて詳細に検証することで、翻訳における困難さと、その結果刊行された作品がどのように受け止められてきたかを明らかにしています。
『台湾のデモクラシー』: 長い権威主義体制下にあった台湾は、1996年に総統の直接選挙が開始され、2000年には国民党から民進党への政権交代が実現しました。現在、台湾は「民主主義指数」でアジア首位に位置しています。しかし、中国の圧力に晒されながらも、なぜ台湾の民主主義は強靭なのでしょうか。本書は、白熱する選挙キャンペーン、特異なメディア環境、多様な言語と文化、そしてアメリカとの関係など、あらゆる側面から台湾の民主主義の実態を解き明かします。

社会への貢献を続ける中央公論新社の出版活動



中央公論新社は、これまで多くの優れた書籍を世に送り出してきました。今回のサントリー学芸賞受賞は、同社が社会への貢献を続ける出版活動の成果と言えるでしょう。今後も、知的刺激と深い洞察を提供する書籍を期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社 中央公論新社
住所
東京都千代田区大手町1-7-1読売新聞ビル19階
電話番号
03-5299-1700

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