環境省が新たに201か所を自然共生サイトに認定
2023年9月16日、東京・砂防会館にて「令和7年度 自然共生サイト認定式」が行われ、環境省は新たに201か所を自然共生サイトとして認定しました。この認定は「地域生物多様性増進法」が施行された後初めてのもので、ネイチャーポジティブの実現へ向けて重要なステップとなります。
自然共生サイトの概要
自然共生サイトとは、生物多様性の保全が進められている区域を指し、特に民間の取り組みによって実現されています。令和5年度から始まったこの取り組みは、2023年4月に法制化され、企業やNPOなどの活動をさらに促進するための法的基盤が整いました。
認定状況と各省のメッセージ
認定式では、環境大臣や農林水産大臣、国土交通副大臣らの代表が挨拶し、それぞれの省がどのように自然共生サイトに関与しているかが語られました。
- - 環境大臣 浅尾慶一郎氏は、「本法に基づく初の認定第1号である皆様の努力に敬意を表します。これからも地域に根ざした生物多様性の保全に努めましょう」と述べました。
- - 農林水産大臣政務官 庄子賢一氏も、「農林水産業においてもネイチャーポジティブの実現が重要です。持続可能な農林水産業の発展に向けた政策を引き続き進めてまいります」と強調しました。
- - 国土交通副大臣 古川康氏は、グリーンインフラを含む地域作りへの取り組みについて語り、自然環境との共生の重要性を説きました。
審査委員の総評
公益財団法人京都市都市緑化協会の理事長である
森本幸裕氏は、「連携増進活動の認定もあり、より長期的で広域的な視点が求められます。この制度の意義を深めて、多様な活動が期待されます」と評価しました。
基調講演と地域宣言
基調講演では、東北大学の
藤田香氏がネイチャーポジティブへ向けた取り組みの重要性を説明し、企業と地域の価値向上につながると指摘しました。
また、千代田区からは
川又孝太郎氏が「千代田区ネイチャーポジティブ宣言」を発表し、都会でも自然と共存する街づくりを進めていることをアピールしました。
自然共生サイト広報大使の紹介
最後に、認定を受けた自然共生サイトの広報大使が紹介され、各分野で活躍する彼らの活動が自然保護の重要性を広く伝えていく役割を果たすことが期待されています。
未来への期待
環境省の自然環境局長
堀上勝氏は、「自然共生サイトは、我々の自然を未来へと繋ぐ重要な制度です。皆様の活動を通じて、都市の自然や海洋でも生物多様性を保全していくことが求められます」と結びました。この認定がさらなる地域の生物多様性の保全とネイチャーポジティブの実現につながることが期待されます。