がん患者支援のための特別講座、『Medical Hair Stylist 養成講座』を開催

有限会社上松組が提供するヘアサロン「上松」にて、がん患者の美容をサポートするための特別講習会「Medical Hair Stylist 養成講座」が2025年6月3日に予定されています。この講座は、美容師としてがん患者にどのように寄り添えるのかを学ぶことを目的としたもので、多くの美容師からの要望に応える形で実施されることになりました。

背景：美容を諦めない社会を目指して

日本において、がんの罹患率は高まっており、特に乳がんは多くの成人女性に影響を及ぼしています。抗がん剤治療による脱毛や外見の変化は、患者にとって大きなストレスとなり、心の支えが必要です。この時に、身近な美容師がウィッグの使用や自然なカットを提案することが、がん患者の日常を支える要素となります。

「Medical Hair Stylist 養成講座」は、がん患者の「美容を楽しみたい」という気持ちに寄り添い、彼らの生活の一部に美容が寄与できるよう、全国に美容師を育成することを目的としています。このプログラムは2013年にスタートし、今年で12年の歴史を持ちます。

講座内容：実践型特別講座

本講座では、美容師が“がん患者に向き合う力”を身に付けることを重視しています。内容は理論だけでなく、実践を中心に構成されています。

講義パート

初めにがん患者との接し方や医療知識について講義を行います。ここでは、具体的なカウンセリングの方法やウィッグの種類・扱い方について学びます。これは、ただの理論に留まらず、明日から使える知識を習得することに特化しています。

実践パート

実践パートでは、参加者同士でペアを作り、実際に本物のウィッグをカットする体験を行います。提携ウィッグメーカー「MIGUSHI」の高品質な製品を使用し、参加者はリアルな技術を体験します。さらに、がん患者に対する豊富な経験を持つ上野修平氏のマンツーマン指導を受けることができ、安心して技術を習得できます。

講座修了後には、使用したウィッグを持ち帰ることができ、練習用やお客様への試着用に活用していただけます。実際に美容院で使用されるウィッグは、カットのしやすさとお手入れのしやすさが追求されており、参加者はウィッグをただの道具としてではなく、デザインの一部として扱う感覚を養うことができます。