心温まる思い出を綴った益田ミリの新刊『小さいわたし』
2025年7月2日(水)、株式会社ポプラ社から、益田ミリの新刊『小さいわたし』が発売されます。この作品は、イラストレーターとして数々のエッセイや漫画を手がけてきた益田ミリが、自身の子ども時代の思い出を元に描いた物語です。特に、『すーちゃん』や『スナックキズツキ』など女性の心情を丁寧に描く作品で人気を集めている彼女の新しい試みとして、どのような内容に仕上がっているのでしょうか。
大人になった自分の心を支える子ども時代の思い出
本書では、「ドキドキの入学式」や「はじめての遠足」、さらには「お気に入りのぬいぐるみ」や「夏の花火」、そして「四つ葉のクローバー探し」など、誰もが経験したことがある子ども時代の出来事が語られています。益田ミリが描くその情景には、子どもならではの素直な感情がたっぷり盛り込まれており、読者は思わず自分の懐かしい思い出を重ねてしまうことでしょう。
「おとなになると今日のことを忘れてしまうのかな。そうだとしたら、すごくいやだ」というミリの想いは、彼女が子ども時代を大切に思っているからこそ出てくる言葉です。多くの人が感じる「大人になった今でも、子どもの自分がいてくれている」という実感は、読者に共感を呼ぶことでしょう。作品を通じて、「子ども時代の自分が、大人になった今の自分を支えてくれているんだ」と気づかされる瞬間があるのです。
美しいイラストに囲まれて
『小さいわたし』では、54点のイラストがオールカラーで収録されています。美しいビジュアルと共に、ミリの言葉がより一層心に響くことでしょう。彼女が描くかわいらしいキャラクターや、愛らしい風景は、読者を童心に帰らせ、心あたたまるひとときを提供します。
ミリの子ども時代を振り返る
書籍には、「はじめに」として、心の内面をつづった言葉が掲載されています。「心配していたとおり、おとなになるにつれてこどものわたしは遠くなっていきました」と、ミリは自身の成長と共に感じたことを淡々と語ります。しかし、そんな感情の裏には、楽しかった記憶がいつまでも残り続けることが幸福なことであると認識しています。
「いっしょうけんめい遊んでくれてありがとう。キミのおかげで、おとなになってもときどき幸せな気持ちになれるんだよ」という思いは、まさにこの作品の核をなすメッセージであり、読者にも同じような感覚を呼び起こすことでしょう。
益田ミリのプロフィールと他作品
益田ミリは1969年に大阪府で生まれたイラストレーターです。彼女の主な著書には、エッセイ『おとな小学生』や、漫画作品『すーちゃん』、『ヒトミさんの恋』などがあり、多岐にわたって活躍しています。彼女が手塚治虫文化賞短編賞を受賞した『ツユクサナツコの一生』も、その才能を証明する作品のひとつです。
書誌情報
- - タイトル:『小さいわたし』
- - 著者:益田ミリ
- - 定価:792円(税込)
- - 発売日:2025年7月2日
- - 書誌ページ:ポプラ社書籍ページ
- - Amazon:Amazonで購入
益田ミリの温かい視点で描かれた『小さいわたし』は、子ども時代の記憶を持つすべての大人にとって、愛しいお守りのような一冊となることでしょう。心に残る思い出を再び思い出させてくれるこの作品、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。