JICA支援を受けたファイテックの海外展開
株式会社ファイテックは、愛知県大口町を拠点に消防関連の化学製品を開発・製造しています。同社は、JICA(独立行政法人国際協力機構)の支援を利用し、森林火災の対策において重要な役割を果たしています。特に、カザフスタンでの森林火災対策に取り組むファイテックの事例が、あおもり創生パートナーズ株式会社の会報誌『Région』2026年8月号に特集されました。
国内での取り組みと技術
ファイテックが開発した「FOREST DEFENDER」という消火剤は、特に森林火災に対応するために設計されています。この製品は水で希釈して使用することで、優れた消火性能と再燃抑制効果を持ち、環境への配慮もされている点が特長です。2025年には岩手県大船渡市で発生した大規模林野火災において、1,000Lを緊急支援として提供。今年の4月には、岩手県大槌町の火災においても500Lが寄贈され、実際に現地の消火活動に活用されています。
ファイテックは、こうした国内での成功体験を基にして、森林火災という国際的な社会課題に対する解決策を模索しています。
JICA Bizを通じたカザフスタン展開
ファイテックは、JICAの『中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)』を活用し、2024年度にはカザフスタンにおける消火剤のニーズ確認調査を実施しました。調査を通じて、現地の森林火災の問題やニーズ、及びファイテックの技術を活用した解決策の可能性が探られています。これに続き、2025年度にはビジネス化実証事業が採択され、具体的な実証を行う計画となっています。
現地機関との連携
ファイテックは、カザフスタンでの展開において地域の金融機関や現地の関係機関との連携を強化し、実際の課題把握やニーズの中からビジネスモデルを模索しています。2025年には、カザフスタン共和国のエコロジー省が所管する国営企業「Kazavialesoohrana」と協力覚書(MoU)を締結し、森林火災の早期鎮圧や被害低減を目的とした技術のフィールド実証が進められる予定です。
グローバルな課題への対応
ファイテックは、消火技術で「世界を変える」という理念のもと、国内での研究開発と製造を大切にしつつ、海外でも同様の技術を必要とする地域に適切に展開することを目指しています。森林火災という問題は、一国や地域の問題を超えて、多くの国で影響を及ぼしているため、国際的な協力が不可欠です。日本の消火技術を活かし、現地のニーズに合わせた効果的なソリューションを提供することで、地球規模の課題解決に貢献していく方針です。
結びに
今後も、JICAや地域金融機関、国内外の関係者と連携しながら、ファイテックは日本発の環境・防災技術を通じて、世界中の森林火災という課題への取り組みをさらに深めていくことでしょう。このような取り組みが、高い評価を受けることを期待しています。