全国のミュージアム向けにACA研修スタート、文化芸術のアクセシビリティ向上を目指す

ミュージアム運営のためのアクセシビリティ研修の開始

文化庁委託事業の一環として、国立アートリサーチセンター（NCAR）が新たに「ミュージアム運営のためのアクセシビリティ研修」を開始します。この研修は、全国の美術館・博物館を運営する団体を対象にしており、特にアクセシビリティに関する基礎知識を身につけることを目的としています。受講は無料で、2025年9月1日から第1期の受講団体を募集します。

本研修は、eラーニングを基盤としたカリキュラムに加え、希望の団体には対面型のワークショップを提供します。まずは、eラーニングプランでは、職層に応じた研修動画の視聴だけでなく、参加者同士の交流を促進するオンラインの交流会も予定されています。その後、さらなるスキル向上を求める団体には、NCARから講師を派遣し、実施する対面型のワークショップも選択可能です。

2023年4月に施行された改正博物館法では、より多様な来館者に対するアクセスの向上を求めており、この研修はそうした社会的背景にも対応しています。研修を受けることによって、ミュージアムに従事する方々がアクセシビリティに関する基礎的理解を深め、来館者にとってより開かれた場を提供することが目指されています。

昨年度に実施された「ミュージアム・アクセシビリティ講座ふかふかTV」には、約1,500名が参加し、好評を博しました。その成果に基づき、新たに団体向けプログラムとして発展させた本研修の内容が期待されています。

研修の概要

対象

美術館や博物館といったミュージアムの運営主体はもちろん、関連団体や協力企業も参加可能です。ただし、委託や連携をしている団体単独での応募は原則として認められません。

募集スケジュール

研修は3つの期に分かれて実施されます。

- 第1期: 2025年9月1日から21日までの募集、10月10日から11月28日まで
- 第2期: 2025年10月1日から13日までの募集、11月4日から12月26日まで
- 第3期: 2025年11月5日から16日までの募集、12月1日から2026年1月30日まで

研修内容

本研修は、eラーニングプランと対面ワークショップの2つのプランから選べます。

- eラーニングプラン: 各団体の職員が研修動画を視聴し、ふりかえりを記入することで完了します。このプランには、オンライン交流会への参加や修了証の発行といった特典も含まれています。
- eラーニング＋対面ワークショップ: eラーニングプランに加え、NCARから講師を派遣し、対面でのワークショップを受けることができます。受講するためには、参加者が20名以上集まる必要があります。

定員と費用

eラーニングプランは各団体100名まで参加可能（定員超過時は応相談）。対面ワークショップは10件までの申し込みを受付、詳細については抽選を行います。研修は無料ですが、対面ワークショップの場合、講師派遣に必要な旅費を負担していただくことになります。

お申し込み方法

参加希望の団体はNCARのウェブサイトから登録フォームにて申し込みを行ってください。昨年度の成功を受け、NCARは今年度も充実した研修プログラムを提供することで、誰もがアクセスしやすいミュージアムの実現に寄与することを目指しています。

詳しくはこちら: 国立アートリサーチセンター

手話通訳や日本語字幕を用意した研修動画により、すべての受講者が平等に学べる環境を整えています。更なる情報や問い合わせは、NCARの専用メールアドレスにて受け付けます。