ペットと共に避難できる社会を目指す伍代夏子氏の取り組み

伍代夏子氏が語る、ペットと同室避難の重要性

2024年1月12日、名古屋のAichi Sky Expoで開催された「いのちの絵本コンサート」において、歌手の伍代夏子氏がアンバサダーとして登壇しました。彼女は、災害時に人とペットが一緒に避難できる社会を目指す「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」の活動を紹介し、ペットと一緒に過ごすことの大切さについて訴えました。

災害とペット避難の現状

伍代氏は、プロジェクトを立ち上げた背景として、過去の災害現場で見聞きしたエピソードを明かしました。彼女が被災地に炊き出しに行った際、避難所に犬を連れて入れないために外に出されていた若い女性と出会ったことがきっかけです。この現実を目の当たりにし、「同室避難が当たり前になってほしい」との思いから活動を開始しました。

ペットの同室避難については、全国での認知が少しずつ高まっているものの、本格的な備えができている人は多くないことも指摘されました。彼女は、「自分が避難するという意識を持っている人はまだ少ない」と現状を語ります。

飼い主が準備すべき7つのポイント

伍代氏は、飼い主自身も避難への準備が重要だと強調し、具体的に7つの準備項目を提案しました。以下がその内容です：

1. 防災対策 – 家具の固定や防災グッズの準備を行う。
2. しつけ – ペットをキャリーバッグやケージに慣らし、基本的なしつけをする。
3. 迷子対策 – 迷子札やマイクロチップを準備して、ペットがすぐに飼い主と再会できるようにする。
4. 避難用具の用意 – ペット用の避難用品や食料を常に持ち出せるように整理する。
5. 避難所の確認 – 自分の住む地域の避難所や避難ルートを事前に確認する。
6. 情報共有 – 家族や地域住民と避難の方法について話し合っておく。
7. 預かり先の確保 – 万が一自分が飼えなくなった際のペットの預け先を準備しておく。

また、同席したペット救助チーム「チームうーにゃん」の代表・うさ氏も、自身の経験から、玄関付近に防災グッズを置くことの重要性や、ペット用水の選び方について言及しました。命を守るための具体的な準備の重要性を力説しました。

未来への願い

最後に伍代氏は、ペットを持つ人々に向けて「ペットは家族であり、避難できる場所が必要です」とメッセージを伝えました。彼女の強い思いは、ペットとの共生を根付かせる社会を目指す原動力になっています。「災害はいつ起こるかわかりません。ペットを連れての避難が当たり前になるために、まずは日常からの準備が大切です」と結びました。

このように、伍代夏子氏の取り組みは、ただのプロジェクトに留まらず、多くの人々に大切なメッセージを広める活動へと発展しています。彼女の情熱が、ペットが家族として大切にされ、共に助け合う社会をつくる一助となることを期待したいです。