富士河口湖町で復活した伝統行事「本栖公家行列」の魅力
2026年5月21日、山梨県富士河口湖町で無形民俗文化財に指定されている「本栖公家行列」が、2年ぶりに華やかに開催されました。この行事は、歴史ある祭りに参加することを願う地域の人々の熱意によって復活し、多くの観客を魅了しました。
伝統のバトンを繋げるための決断
本栖公家行列は、それまで毎年5月17日に開催されていましたが、昨年は観光業の方々が参加できず、やむなく中止となりました。この苦しい状況を乗り越えるため、保存会が考えたのは、開催日を「5月の第3木曜日」とする柔軟な決定です。これにより、参加しやすくなり、地域全体が行列を迎える準備を整えることができました。今年は多くの村人が集まり、行列が見事に復活しました。
行列の由来と魅力
この公家行列は、江戸時代に徳川家康からの命を受けた渡辺囚獄佑が始めたとされています。当初は警備を目的としていましたが、地域の若者たちの士気を鼓舞するための重要な行事へと成長しました。開催日には、大名や近侍たち、行列の先導役である徒歩(かち)に扮した村人たちが、風情豊かに本栖湖畔を歩きます。
2年ぶりに行われた今年の祭りは、あいにくの雨に見舞われましたが、地域住民の熱気は衰えず、行列は力強く出発しました。わら草履を履いた奴(やっこ)たちは、雨を吹き飛ばすほどの元気な掛け声を響かせ、見物客から大きな歓声を受けました。そんな姿に、本栖の人々が伝統を大切にしながら感じた誇りが表れています。
歴史ある本栖の街道
本栖は、戦国時代に甲斐国と駿河国を結ぶ重要な交通路、中道往還が通る関所でした。ここでの名産品、鮑の煮貝には歴史があります。鮑が醤油漬けにされ、馬の背に載せられ、馬の体温で煮込まれたうえで、甲府に到着する頃には極上の味になるという伝承があります。この地域は、歴史に彩られた伝統行事を通じて、次世代への貴重な文化を伝えていく必要があります。
これからも本栖公家行列保存会は、この貴重な行事を大切に守り抜き、地域の人々と共にその文化を守り続けていくことでしょう。