鹿嶋市は、持続可能な航空燃料(SAF)の普及に向けた新しい取り組みとして、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、および合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYとともに連携協定を結びました。この協定は、2025年9月26日に鹿嶋市役所で締結されました。これにより、廃食用油を資源として活用し、SAFの原料としての再利用を推進していきます。
協定の背景と目的
本協定の締結は、脱炭素や資源循環型社会の実現に向けた重要なステップです。日本は、航空業界においても持続可能性を追求し、環境への影響を軽減する必要があります。廃食用油を原料とするSAFを用いることで、CO2排出量の削減を図り、より持続可能な未来を目指します。
具体的な取り組み内容
協定に基づいて、以下の取り組みが行われます。
1.
廃食用油の回収:鹿嶋市役所や公共施設など全13か所で、家庭から排出される廃食用油を回収します。回収された廃油は鹿嶋市立衛生センターで集積され、SAFへと再利用されます。
2.
学校給食からの廃油回収:市内の小中学校給食センターから毎年約5,000リットルの廃食用油が生じます。この油をSAFの原料として利用するための調整を進めていきます。
3.
市民への情報提供:市民に対してSAFに関する情報を提供し、廃食用油回収の意義や方法について周知を図ります。
4.
教育活動:学校へSAF再資源化に関する内容の授業を行い、次世代の環境に対する意識を高める教育活動を推進します。
廃食用油回収イベントの実施
さらに、2025年10月5日(日)には鹿島アントラーズのホームスタジアムで『鹿嶋の日』として、廃食用油回収イベントを開催します。このイベントでは、家庭から持ち寄られた使用済みまたは賞味期限が切れた食用油を回収し、参加者にはSAF製造過程のVR体験会も行われます。加えて、日揮HDが協力し、体験を通じてSAFの製造方法についての理解を深めてもらいます。
SAF(持続可能な航空燃料)とは
持続可能な航空燃料SAFは、廃食用油やバイオマス燃料などを原料としており、航空機の運航に必要な変更を最小限に抑えつつも、製造から利用までの過程で約84%のCO2排出削減効果が期待されています。これにより、航空業界におけるカーボンニュートラルの実現が見込まれています。
Fry to Fly Projectの理念
『Fry to Fly Project』では、地域の家庭や店舗で生成される廃食用油を活用し、持続可能な航空業界を目指します。このプロジェクトは日揮HDが発起人となり、賛同する企業や自治体が共同で資源循環に参加するものです。
このように、鹿嶋市の新たな取り組みは、地域全体での環境保護意識の向上と持続可能な未来への第一歩となるでしょう。皆さんもぜひ、廃食用油の回収にご協力ください。