アブダビ、2021年までに使い捨てビニール袋を廃止へ。持続可能な未来に向けた一歩。

アブダビが取り組む使い捨てビニール袋廃止政策

アブダビ首長国では、2021年を目標に使い捨てビニール袋を廃止するという画期的な政策が進められています。この施策は、地域初の包括的な取り組みであり、プラスチックを環境から排除することを目的としています。同時に、地域コミュニティにおいてリサイクルやリユースの文化を育み、持続可能な生活習慣を根付かせる狙いがあります。

この政策は、アブダビ環境庁（EAD）の指導のもと、故シェイク・ザイードのレガシーを受け継ぎつつ展開されています。エミレーツのサステナビリティを強化する「Ghadan 21」プログラムの一環として、シェイク・ハムダン・ビン・ザイード・アル・ナヒヤン殿下の指導のもと、経済発展を加速しつつ環境への配慮を進めています。

全体として、国際基準に基づくこの政策には、12の政府機関や関連企業の協力が含まれており、今後2年間にわたって実施される予定です。具体的な内容としては、使い捨てビニール袋の有料化、無料配布の禁止、環境に優しい代替品の提供が挙げられています。これにより、利用者に対して段階的な利用制限を促すことを目指しています。

また、アブダビ特有の廃棄物管理システム構築に向けて、特に問題視されている身近な使い捨てプラスチック16種類が重点的に取り除かれる予定です。対象にはビニール袋や飲料コップ、プラスチック製ナイフ・フォークなどがあり、これらは適切な方法で管理されます。さらに、ペットボトル返却計画が導入され、利用者にインセンティブが提供されることになります。

調査によると、世界全体で生産される使い捨てプラスチックのうち、リサイクルされていないものが36%にのぼり、年間4億トン以上のプラスチックが新たに生産されています。このままでは、2050年までに海の魚の重量あたり、プラスチックが1トンの割合に達すると予想されています。

アラブ首長国連邦では、年間110億枚のビニール袋が消費されているというデータもあり、これは世界平均の年間307枚と比較して大きな数値です。アブダビでは、この状況を打開すべく新政策を推進しています。

アブダビ環境庁の事務局長シャイカ・セーラム・アル・ダハリ博士は、「使い捨てプラスチックに対する取り組みは、持続可能な経済への意欲を示すものであり、私たちの決意を反映しています。新政策は国際基準に基づいたものとなるでしょう」と述べています。

世界中で発生するプラスチック問題に対して、アブダビが先陣を切ることで、環境保護と持続可能性確保に向けた意識が高まり、他の国々にも影響を及ぼすことが期待されています。プラスチックの利用を制限し、効果的な廃棄物管理を行うことで、人間の健康を守りつつ、持続可能な未来へと一歩前進することが求められています。