南部徳洲会病院がAIによる業務改善を実現
沖縄県に位置する南部徳洲会病院は、医療法人徳洲会グループの一員として24時間365日の医療提供を行っています。この病院では、最近「ユビー生成AI」の音声要約機能を導入し、多様な業務に活用しています。その結果、月間約200時間、年間では約2400時間もの業務時間を創出することに成功しました。この取り組みは医療現場における働き方改革を進める重要な事例として注目されています。
導入背景と目的
高齢化が進む沖縄県南部では、特に総合診療科で複雑な症状を抱えた高齢患者が増加し、医療記録の重要性が高まっています。このような背景から、同院は「働き方改革」と「患者との向き合い時間の創出」を同時に実現することを目指しました。業務の効率化を図りながら、質の高い医療を提供できる体制づくりが求められていたのです。
ユビー生成AIの具体的な導入
「ユビー生成AI」はプロンプトのカスタマイズが可能で、様々な業務に対応しています。看護師や医師、リハビリテーションスタッフなど、全職種で利用され、月間の使用件数は6000件に達しています。これにより、業務の自律的な改善サイクルが確立され、その効果を実感する機会が増えています。
具体的には、IC記録の音声入力活用やデイリーチャートの作成、救急診察記録、入院初期アセスメント、紹介状作成、回診記録、研修医指導などに利用されています。また、看護師は退院サマリーや多職種カンファレンスの記録作成においても音声を利用し、業務の効率化を図っています。
音声要約がもたらした成果
音声要約機能を活用することで、従来は時間のかかっていた業務が大幅に効率化されています。たとえば、看護師が勤務を開始する前に行っていた患者情報の収集においても、AIを使うことで業務を短縮することができるようになりました。この結果、看護師1人あたりの業務時間が30分未満に短縮され、全体で月およそ450時間の業務時間削減が実現されています。
情報の整理が進むことによって、多職種間での情報共有がスムーズになり、医師が本来注力すべき患者ケアに費やす時間が確保されるようになりました。こうした改革によって、より質の高い医療提供が可能になっています。
業務のさらなる最適化へ
今後、南部徳洲会病院ではAI活用のさらなる推進を計画しています。音声認識とAIの機能を駆使して患者情報収集の仕組みを全ての病棟に拡大し、業務の効率化を図る方針です。また、部署ごとの特性に応じたプロンプトの借用によって、更なる業務の最適化を進める予定です。
これに伴い、スマートフォンとの連携も進め、使い勝手のさらなる向上を図ります。究極的には、医療従事者が事務的な作業から解放され、より多くの時間を患者ケアに充てることができる環境づくりを進めていくとのことです。
まとめ
南部徳洲会病院の「ユビー生成AI」の導入は、医療現場の業務効率化にとどまらず、医療の質向上にも寄与する重要な取り組みとなっています。今後も革新的な技術の活用を通じて、患者との向き合い時間を増やし、より良い医療の実現を目指す姿勢が求められるでしょう。