企業の知識継承をサポートする新サービス『SkillRelay』誕生

近年、年齢層の高い熟練社員の退職が増え、企業が持つ貴重な知識や経験が失われるリスクが高まっています。このような背景を踏まえ、株式会社taiziiiが2025年6月より新たに提供を開始するサービスが、AIを活用した『SkillRelay』です。このサービスは、熟練社員の持つ業務ノウハウやスキルをAIに継承させることで、企業内の知識のバトンタッチをサポートします。

スキル損失リスクの深刻さ

特に中小企業や製造業、プロフェッショナルサービス業では、退職によるスキル損失が深刻です。例えば、「このシステムはあの人に聞けば解決する」というように、特定の個人に業務が依存してしまっているケースは少なくありません。この属人化が進むと、突然その人が退職した場合、残されたメンバーは大きな困惑に陥ります。業務が円滑に行われなくなり、利益の減少や企業への信頼の喪失を引き起こす危険性も高まります。特に歴史のある企業や一定規模以上の組織において、この“属人化の時限爆弾”は危機的な状況を招くことが懸念されています。

SkillRelayの機能

『SkillRelay』は、熟練者が持つスキルや判断基準を対話形式で明文化し、AIエージェントとして組織内に展開します。これにより、社員はいつでも質問や相談ができる「知の継承ボット」として機能します。AIパートナーが24時間体制でサポートし、属人化した業務のリスクを軽減することが期待されます。他の社員が同じノウハウを容易に活用できる環境を整えることで、業務の効率化と知識の伝承が進むでしょう。

実績事例の共有

既に数社からの相談を通じて、実際にどのような内容が『SkillRelay』で解決できるかが見えてきました。例えば、BtoB営業を行う企業では、ベテラン営業が持つ重要なノウハウが属人化し、全体に伝承されにくいといった悩みが寄せられています。SkillRelayでは、実際の営業の対話やロールプレイを通じて、こうした経験知をAIに反映させ、若手社員でも活用できるような体制を構築する計画をしています。

また、地方の建設会社では、法務担当者が持つ専門的な知分類が一部の社員にしか伝わっておらず、問題解決のアクセスに不安を抱える声がありました。このような課題意識をもとに、向こうを見越した法務AIエージェントの案が検討されており、今後期待される分野です。

製造業の情報システム部門からは、仕様変更の背景を説明するのが非効率であるといった問題なども寄せられています。『SkillRelay』は、これらの情報をAIが学習し、業務の裏側を理解できる形にしていく方針です。