新たな感覚の安らぎ空間『Cozy Room』が登場
感覚過敏やパニック障害の方々に向けた新たなカームダウンスペース『Cozy Room』が、感覚過敏研究所の運営する株式会社クリスタルロードから販売開始されました。日本のカームダウンボックス発祥の地とされるこの魅力的なスペース。今回はその特徴と効果を深掘りしていきます。
カームダウンスペースの必要性
先進的な環境整備が求められる現代、感覚過敏を抱える人々への配慮が重要視されています。音や光、さらには人の流れなど、さまざまな環境刺激に敏感な方々にとって、安心できる空間の提供は基本かつ必須の条件です。『Cozy Room』は、そんなニーズに応えるために誕生しました。
カームダウンボックスの発祥
この新たなカームダウンスペースは、自閉症児の療育支援に取り組んでいた佐藤忠弘さんの革新的な発想から生まれました。彼は、小さなスペースを用いることで、自閉症の子どもたちがどれほど落ち着くことができるかに気づき、2005年からそのプロジェクトに取り組み始めました。大学との共同研究により、効果検証も行い、徐々にその重要性が認識されてきました。
3つのデザインバリエーション
『Cozy Room』には、利用者の好みに合わせて選べる3つのデザインがあります。一つは、丸みを帯びた円筒形の「Oval」。心地よい内装のぬくもりを感じられます。二つ目は、親しみやすいログハウス風の「Log」。安らぎをもたらし、リラックスするのに最適な形です。三つ目は、シンプルで組み立てやすい「Standard」タイプ。機能性や堅牢性にも優れ、コストパフォーマンスも抜群です。
成田空港での導入事例
特筆するべきは、成田空港が『Cozy Room』を導入したことです。最近では、カームダウンスペースの導入を進める空港も増えてきていますが、成田空港の採用がきっかけとなり、本格的なカームダウン文化が日本に広がりつつあります。2020年には感覚過敏研究所の所長である加藤も、実際に成田空港の『Cozy Room』を視察しました。その詳細は感覚過敏研究所のウェブサイトでも掲載されています。
カームダウンスペースの仕様
商品としての『Cozy Room』は、様々なサイズが用意されています。「Oval」は1520W×750D×1840Hmm、「Log」と「Standard」は1200W×1840D×1800Hmmのサイズです。それぞれ奥行き部分はカスタマイズ可能。使用される素材は木材と紙管で構成されており、製造は五大エンボディ株式会社と株式会社コムフレンドが行っています。
カームダウンスペースの進化
カームダウンスペースは、単なる避難所ではなく、プライバシーが確保でき、ストレスの軽減につながる特別な空間です。感覚過敏研究所では、設置に関する相談や運営のアドバイスも行っており、利用者のニーズに応じた提案ができる体制を整えています。
さらに、何か不安があっても解消できるよう、広報活動やトレーニング支援も行っています。
感覚過敏とは何か?
感覚過敏とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚が過剰に反応してしまい、日常生活に支障をきたす状態です。特に発達障害を持つ方々に多く見られますが、他の病状に伴うこともあり、非常に多様です。
そのため、こうした方々を支える環境を整備することは、社会全体の課題となっています。
所長・加藤路瑛の理念
加藤路瑛は2006年に生まれ、2018年に感覚過敏研究所を設立。自身の経験を活かし、様々な社会課題に取り組んでいます。彼の目標は、年齢や障害、国籍に関係なく「今」を諦めない社会を実現すること。近年では、Forbes Japanの「世界を変える30歳未満」に選出されるなど、その影響力を発揮しています。
まとめ
カームダウンスペース『Cozy Room』は、感覚過敏の方々にとっての新たなオアシスです。外部からの刺激を和らげ、心身をリセットするこのスペースの普及は、私たちの社会にとって、より多様性を持つ未来を築く第一歩となることを期待しています。