『ミックスサラダ』東京上陸
2025-05-29 18:49:59

中国演劇の新たな波、日本初上陸!話題作『ミックスサラダ』が東京を揺らす

2025年7月、東京の演劇シーンに新たな風が吹き込みます。中国で圧倒的な支持を集める現代劇『ミックスサラダ』が、商業演劇としては初めて本格的に日本へと上陸。7月2日から3日にかけて、江戸川区総合文化センターにて上演されるこの作品は、単なる舞台の紹介に留まらず、現代中国の若者たちが抱える「リアル」を肌で感じられる貴重な機会となるでしょう。

『ミックスサラダ』は、気鋭の演出家・張慧(チャン・ホイ)が手がける意欲作です。夫婦のあり方、仕事の意味、そして情報社会における個人の存在といった普遍的なテーマを、三つの短編形式で、現実と虚無が交錯する閉鎖的な空間の中で鮮やかに描き出します。中国語での上演となりますが、日本語字幕が用意されるため、言葉の壁を気にせず作品の世界に没入できます。

2021年の初演以来、本作は中国本土で熱狂的な支持を集めてきました。レビューサイト「大麦(Damai)」や「豆瓣(Douban)」では高評価を獲得し、中国を代表する演劇祭「烏鎮戲劇節(Wuzhen Theatre Festival)」では、チケットがわずか2分で完売するという伝説を打ち立てました。2024年の記念版では、中国国内5都市での全16公演が完売し、累計動員数は1.7万人を突破。Weiboで3000万回以上、REDで600万回以上というSNSでの反響も、その話題性を物語っています。さらに、「壹戯劇大賞」での最優秀男優賞受賞など、批評家と観客双方から高い評価を得ており、「心に残る舞台」として、多くの人々の記憶に刻まれています。

この作品がなぜこれほどまでに人々を惹きつけるのか、その核心は三つの異なる物語にあります。

『滸墅関(フーシューグァン)』


コロナ禍の封鎖をきっかけに、長く離れていた元夫婦が数日間だけ再び同じ屋根の下で暮らす物語。台所の音や何気ない会話の中に、互いに言えなかったことや、自分自身の中で整理しきれなかった感情が少しずつ露呈していきます。二人の対話は、いつしか過去の自分自身との対話へと変化していく様子が繊細に描かれます。

『アーチー』


「働くなんて無理だ」と語る若者アーチーが、記者の前で自身の過去と哲学を語り出す衝撃的な作品です。電動バイクの窃盗や貉を殺した話、そして「自由」という言葉の意味を巡る彼の言葉は、かつて中国のSNSで話題となった「窃格瓦拉(チェ・ゲバライザー)」という実在の人物に着想を得ています。俳優・蒋奇明(ジャン・チーミン)は、広西方言の語りと中国地方劇「彩調劇」の歌唱を自在に操り、ユーモアと哀愁を同時に表現。彼の声は、個人の物語を超えて、私たちの中に潜む何かを揺さぶります。

『あるパントマイム劇』


セリフは一切なく、舞台には男と「検索装置」のような機械だけが登場します。男は機械を操作し、観客の前で他者を検索します。「誰が発熱中か」「誰が嘘をついたか」「誰が離婚しているか」といった情報が次々と可視化され、やがてその視線は観客席にも向けられます。言葉を介さずに、可視化や分類といった現代社会の感覚が立ち上がる、寓話的なパフォーマンスです。

出演者には、中国のコメディ番組で広く知られる馬卓君(マー・ジュオジュン)、安定感のある演技で定評のある張懿曼(チャン・イーマン)、そして映画やテレビドラマでも注目を集める蒋奇明(ジャン・チーミン)、数々の話題作で主演を務めてきた伍藍瑩(ウー・ランイン)といった実力派俳優陣が名を連ねています。彼らが織りなす繊細かつパワフルな演技は、観客に深い感動を与えることでしょう。

脚本・演出を手がける張慧は、中国の演劇界で最も注目される若手の一人です。これまでも「烏鎮戲劇節」にたびたび作品が招聘され、高い評価を得ています。彼の作品は、常に社会の奥行きと個人の揺らぎを、軽やかで鋭い筆致で描き出してきました。

『ミックスサラダ』は、境遇も価値観も異なる私たちに、何が共通し、何にずれを感じるのか、その間に漂う目に見えないものを、劇場で肌で感じてほしいというメッセージを内包しています。ユーモラスでありながら、どこか切ない。今という時代を生きる私たちに向けられた、静かなる問いかけを、ぜひこの機会にご体感ください。チケットはカンフェティにて絶賛発売中です。


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ロングランプランニング株式会社
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