滋賀県で進化するペット共葬墓—樹木葬の魅力とその背景

近年、ペットを家族として大切に考える傾向が強まっており、ペット共葬墓、特に樹木葬の需要が急増しています。滋賀県東近江市にある興福禅寺は、350年の歴史を持つ寺院であり、飼い主が「共に眠る形」を求めるニーズに応えたペット共葬墓を提供しており、特に人気を集めています。この数年、ペット共葬墓の問い合わせは劇的に増加し、近年のペットブームによって飼育される犬や猫の数が急増、子供よりもペットの数が上回る現象が見られます。この変化は、ペットを単なる動物と捉えるのではなく、家族の一員とする意識の表れです。

ペットと共に入れる樹木葬の概要

興福禅寺では、ペットと共に入れる樹木葬の提供を開始してから、その需要が急増しています。特に、70代以上の女性からの需要が多く、「愛犬や愛猫と一緒のお墓に入りたい」といった声が数多く寄せられています。実際、最初に設けた70基の樹木葬は3年で完売となり、現在は新たに90基が設けられ、それらの中でもすでに数基が契約済みです。興福禅寺は、地元の石材業者や造園会社と協力し、地域に根ざした供養の形を提案しています。

樹木葬説明会の開催

2025年5月11日には、ペット供養と樹木葬についての説明会が開催される予定です。このイベントでは、参加者がペットの名前を読み上げる供養が行われ、続けて樹木葬の具体的な内容や供養方法が説明されます。ペット供養の部分は要申し込みですが、樹木葬への説明は事前の申し込みなしで参加可能です。当日は10時30分からの供養、11時からの説明会に分かれ、専門的なアドバイザーが質問に対応してくれます。

地域を超えたニーズの高まり

滋賀県内にとどまらず、関東や九州など全国からペット共葬墓のお問い合わせが増えています。その背景には、家族としてのペットをどのように供養するかという選択肢の広がりがあります。新しい供養の形として注目を集めている樹木葬は、環境への配慮なども含めて人々に受け入れられています。

「ペットと一緒に眠れる樹木葬は、多くの方が選んでいる供養の形です。私たちはお寺を通じて地域の方々に喜んでいただけることを大切にしており、今後もペットの葬儀や法事にも対応していきたい」と住職の西村惠学氏は語っています。