中核フードバンク団体の新たな現状
一般社団法人全国フードバンク推進協議会(東京都新宿区)は、2024年度の休眠預金活用事業を通じて実施した「中核フードバンク団体育成事業」の一環として、国内の中核フードバンク団体に関する実態調査の報告書を公開しました。この調査の目的は、中核フードバンク団体の活動状況や課題、さらにはその定義を明確にすることにあります。
調査の背景
日本国内では物価の長期的な上昇が続いており、食支援の必要性が高まっています。中核フードバンク団体は、広域的な支援を行う役割を担うため、その活動に対する期待はますます増しています。しかし、これまでその実態や課題、定義については明確になっていない部分が多くありました。
今回の調査は、フードバンク団体を対象にしたアンケートとインタビューを行い、活動内容、組織基盤、連携状況を詳細に解析しました。その結果を基に、今後の支援や議論に資するための資料をまとめました。
中核フードバンク団体の定義
中核フードバンクは、複数の地域フードバンクを支援する中間支援組織です。具体的な活動には、食品の広域受入れや地域フードバンクの運営支援、共通のルール作りなどがあります。この調査によって、次の要件を満たす団体を中核フードバンク団体として定義しました。
1. 他の地域フードバンク団体を支援することを目的としている
2. 主な支援先が地域フードバンク団体である
3. 食品分配について計画と実績がある
4. 地域フードバンク団体への運営・活動支援を実施している
調査結果の概要
調査結果は以下のようにまとめられました。
1.
支援依頼件数の増加: 2024年から2025年にかけて、フードバンクへの支援依頼件数が増加しており、中核フードバンク団体の需要は特に顕著に増加しました。
2.
直面する課題: 約70%の中核フードバンクが「活動資金の調達」を最大の課題として挙げており、人手不足や寄附食品の欠乏なども影響しています。
3.
必要な費用の見通し: 最も必要とされる費用は、人件費、賃貸料、食品配送コストの順であり、「食品購入費」は必要としていない団体が多いのが特徴です。
調査結果のまとめ
調査を通じて、中核フードバンク団体への支援依頼が急増していることが確認された一方で、資金の確保や人手不足などの課題が多く存在することも分かりました。特に、必要とされる費用が「基盤的な運営費」に集中しており、これを安定化させることが急務であることが浮き彫りになりました。
最後に
調査におけるインタビューからは、中核フードバンクの取り組みが地域のニーズに応じて多様化していることが確認されました。この情報を基に、中核フードバンクの機能強化や地域フードバンクとの連携を図ることが必要です。全国フードバンク推進協議会は、今後とも中核フードバンクの基盤強化を支援し、「明日の食事に困る人のいない社会」の実現を目指して活動を続けていきます。