光洋産業株式会社が、2025年6月に日本初となる屋外環境にも対応した電磁波シールド膜材の発売を発表しました。これまでの電磁波シールド素材は、金属を含む硬質ボードや薄手のシートが一般的であり、屋外使用やテント素材としての利用には多くの制約がありました。これにより、シールド環境を構築するためのコストが高くなり、強度や加工に関する問題も発生していました。
新しい「不燃電磁波シールド膜(品番:SS001-M)」は、屋外条件においても電磁波のシールド性能を維持しつつ、単体でテントなどの構造物を建設できる強度を備えています。これにより、物流、防衛、コンサート会場といった多様な分野での利活用が期待されています。この新素材は、日本国内で製造され、国土交通省からの不燃認定も取得しており、安心して使用することができます。
従来の電磁波シールド材は、強度が不十分であったため、特に屋外での使用は難しかったり、大掛かりな構築が必要でした。しかし、今回開発された膜材は一般的なテント素材と同様の感覚で加工でき、ライスター接合が可能であるため、施工の自由度も高くなっています。
特に、この新型膜材の特徴は膨大な使い道があることでしょう。屋内外問わず利用できる大型テントや小型テントとしてだけでなく、RFIDを使用する工場や倉庫における電波遮蔽、また防衛分野では作戦司令用シールドテントや電子機器の防御のためのシールドカバーとしても機能します。さらに、コンサートテントやサーカステント、パビリオンのような公共施設でも、ワイヤレス無線やマイクを安心して使用することができます。
光洋産業の代表者である舟山聡一氏は、「屋外の厳しい環境でもシールド性能が変わらない材料を選定することに最も力を入れた」と語ります。また、同社は販売だけでなく、施工方法のアドバイスやシールド性能の測定サービスも提供しており、電磁波シールドに関する専門的なサポートを行っています。
会社の設立は1958年で、東京都千代田区に本社を置く光洋産業は、電磁環境に関する対策製品の開発、製造、評価、施工方法の提案、及びその測定を一貫して行う能力がある点が強みです。様々な業界での採用実績があり、しっかりとした信頼性があります。
今後、光洋産業は国内だけではなく、海外市場へも販路を拡大していく計画をしているとのことです。特色あるこの新しい電磁波シールド膜材は、今後のさまざまな現場で必要不可欠な存在となりそうです。
【製品スペック】
国土交通省 不燃認定番号「NM-5901」
一般社団法人日本膜構造協会 B種膜材料認定番号「MMEM-0114」
シールド性能:対応周波数 0.15MHz から 18000MHz :シールド性能50db 以上
赤外線反射率:99.9%(218㎛)、可視光透過率 0%(遮光)
PVCによる防水仕様
1,040mm幅×50m(乱)巻、3inchコア電磁波シールドフィルム面外巻、オモテ面PVC層は任意に着色可能、ウラ面電磁波シールドフィルム色は白となっています。
もし、電磁波シールドに関する課題があれば、ぜひ光洋産業にご相談ください。彼らの持つ知見や製品はあなたのニーズに応えてくれることでしょう。