若者のライブ配信意識調査
最近では、ライブ配信が新たなコミュニケーションの形として広まっています。その一方で、実際に自ら配信することに対してハードルを感じる若者も多いようです。株式会社マシェバラトークが運営するオウンドメディア『マシェラボ』が行った調査によると、10代・20代の多くが配信に対して意欲を持ちながらも、様々な理由から実際には始めていないことがわかりました。
調査結果の概要
この調査は、全国の15歳から59歳の男女492名を対象に行われました。最初の結果として興味深いのが、回答者の約半数がライブ配信を自分で行ってみたいと感じている点です。全体で見ると約31.9%が「すでにしている」「とてもしてみたい」「少ししてみたい」と答えましたが、46.7%は「全くしたくない」と回答しており、意識が二分化している様子が浮き彫りになりました。
年代別に見ると、特に10代の64.1%、20代の54.7%が前向きな反応を示しており、若い世代ほど配信に対して意欲を持っていることが顕著です。
実際に配信を開始しない理由
興味があるものの、なぜ実際に配信を始めないのかという理由を尋ねると、この回答には驚きがありました。最も多くの人が指摘したのは「話すネタがない」というもので、38.4%がこの回答を選びました。次に多かったのが「技術的に難しそう」というもので、37.9%。これらの理由に対し、自己表現や興味があっても、それを実現するための具体的な手段が未整備であることがわかります。
特に「恥ずかしい」という心理的な障壁は下位にとどまり、多くの若者が配信に対する具体的な実用的な不安を抱えていることが伺えます。
男女間の違いとプライバシーの懸念
さらに興味深いのは、男女別の結果です。女性は男性に比べ、「プライバシーが心配」と感じる人が約2倍に達しています。具体的には、女性の43.4%が「何を話せばいいかわからない」と答える一方、男性は39.6%が「技術的に難しそう」と感じているという結果も出ています。これは、女性が安全に配信できる環境の整備が特に必要であることを示唆しています。
安心できる配信環境の必要性
配信を行う際に、どのような環境が求められるのかという質問に対しては、プライバシーと個人情報の保護が最も重視されていることがわかりました。最も求められているのは「プライバシー保護の仕組み」(35.4%)で、次いで「個人情報の漏洩防止対策」(34.6%)が挙げられています。これにより、配信者は安心して自己表現ができる環境を求めていることが確認されました。
まとめ
今回の調査結果から、若者のライブ配信に対する関心と行動のギャップが浮かび上がってきました。特に興味を抱く層が多い中で、実際の行動に移すためのハードルを下げる必要性が見えてきました。具体的には、安心感の醸成が重要であり、個人情報の保護やハラスメント対策といった基盤的な対策が整備されることで、多くの人が自由に配信を楽しむことができ、新しいコミュニケーションの可能性が広がることでしょう。