樹状細胞ワクチン「バクセル®」が示した胃がん治療の新たな可能性を報告
樹状細胞ワクチン「バクセル®」の革新的な治療法
先日、テラ株式会社の樹状細胞ワクチン「バクセル®」が、再発した局所胃がん患者に対する新たな治療法として注目を集めています。このケーススタディは、愛知県名古屋市にある医療法人社団医創会 セレンクリニック名古屋で実施され、国際的な学術誌「World Journal of Surgical Oncology」に発表されました。
症例の概要
今回の症例では、患者は高度な肺気腫を抱えていたため、根治手術が行えない状況にありました。また、内視鏡による粘膜切除術もがんの種類から判断し適用外とされていました。抗がん剤治療は副作用が強かったため続行が難しく、そこで樹状細胞ワクチン「バクセル®」の腫瘍内に対する局所投与が選択されたのです。
治療内容と効果
この患者には、内視鏡を用いた樹状細胞ワクチンの投与が計7回行われ、その結果、最終投与から1ヶ月後には腫瘍が縮小。組織生検ではがん細胞の消失が確認されました。さらに驚くべきことに、その後30ヶ月間にもわたって寛解状態が維持され、これは肺疾患により手術が行えなかった再発胃がん患者において、樹状細胞ワクチン療法が有効であった初めての報告です。
バクセル®とは?
「バクセル®」は、体内に侵入した異物に対して攻撃指令を出す樹状細胞を体外で大量培養し、患者自身のがん組織を認識させた上で体内に戻す新しいアプローチを提供するがん免疫療法です。この方法により、高度に特異的な免疫反応を引き出し、がん細胞のみをターゲットにした攻撃が可能になります。
現在、バクセル®は再生医療等製品としての薬事承認を目指しており、今後もさらなる研究と実績の蓄積が期待されています。テラ株式会社は、樹状細胞ワクチンによる治療に関する科学的根拠を強化し、より良い細胞医療の開発と普及に注力する意向を示しています。
セレンクリニック名古屋の取り組み
ここで治療を行ったセレンクリニック名古屋は、高度な技術力を誇る医療機関であり、最新の医療を提供しています。院長の小林正学氏は、患者一人ひとりに対して個別の治療戦略を立て、最適な治療を行うことに力を入れています。彼のリーダーシップのもと、クリニックは新たな治療法の開発と導入に対する姿勢を崩していません。
今後の展望
樹状細胞ワクチン療法は、特に手術や化学療法が困難な患者にとって、未来のがん治療に革新をもたらす可能性があります。テラ株式会社による研究の進展が期待され、今後の臨床報告や新たな治療法の確立が注目されています。免疫療法の進化により、がん治療の選択肢が広がることで、多くの患者に希望がもたらされることが期待されています。
会社情報
- 会社名
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テラ株式会社
- 住所
- 東京都新宿区西新宿7丁目22-36 三井花桐ビル1階
- 電話番号
-
03-5937-2111