日本トリムが提案する新しい透析のかたち
株式会社日本トリム(本社:大阪市、代表取締役社長:田原周夫)が、京都府の岡村医院腎・泌尿器科クリニックに電解水透析®システムを導入し、これが日本で初めての「オーバーナイト透析」になります。夜間の睡眠時間を利用して8~10時間かけて行われるこの透析法は、より多くの尿毒素を取り除くことができ、患者にかかる身体的負担を軽減することが期待されています。
オーバーナイト透析のメリットとは?
オーバーナイト透析は、患者が眠っている間に透析を行うため、通常の透析に比べて身体への負担が少なく、透析後の倦怠感を軽減できるといいます。透析患者による生活の質(QOL)の向上を目指して、日本トリムはこの新しい試みを全国に広めていく意向です。
透析患者の平均余命は一般人の約半分とされ、その主な死亡原因は心不全や脳血管障害、心筋梗塞などの心血管疾患です。これらの病気は、透析中の酸化ストレスや炎症と深く関連しており、早めの対策が求められています。そこで、白血球や血管内皮に対して抗酸化作用を持つ水素(H2)の注入が効果的であることがわかってきています。電解水透析®は、その水素を含んだ電解水を透析液として活用し、透析患者の健康をサポートしています。
全国的な普及を目指して
日本トリムは、2025年までに全国で33の透析施設で1,000個の電解水透析®システムを導入する計画を立てています。この取り組みは、患者のQOL向上に寄与し、多くの透析患者が新しい治療法の恩恵を享受できることを目指しています。
岡村医院の取り組み
岡村医院腎・泌尿器科クリニックは1988年に設立された腎・泌尿器科専門クリニックであり、長年地域医療に貢献してきました。最新の医療機器や技術を取り入れ、透析患者に質の高い治療を提供しています。院長の岡村基弘氏は、「患者さんに寄り添った透析医療を提供することで、患者のストレスを減らし、QOLを高めることに努めています」と話します。
電解水透析®の基礎知識
日本トリムが開発した電解水透析®は、医療機関での患者治療において使用されるもので、特に大量の水を用いる血液透析に対応しています。普通の透析は1回あたり約120リットルの水を使用しますが、電解水透析®では、水素を含む電解水を使うことで抗酸化作用を引き出し、より良い治療効果を発揮します。2011年には正式に商品化され、新しい医療のスタンダードを目指しています。
まとめ
新たなオーバーナイト透析の導入により、日本トリムは透析患者のQOL向上を期待しており、今後の普及に向けた取り組みも加速しています。岡村医院のように新しい技術を取り入れ、患者を支える医療機関が増えることが求められています。患者にとってより良い未来を築くため、日本国内でのさらなる展開が期待されます。